ナナジュウゴ ページ35
松元side
沙「今日はいい天気ですね…空が青くすみきっています」
そう彼女は両手をあて森が広がる外をみた
自分はその横で逆を向いてガラスばりに寄りかかり腕を組む
さぁどこから話そうか…
沙羅「どこまで聞きました皆さんに」
彼女が先に呟いた
今朝の哲さんから聞いた話を思い出す…
相羽さんに宿された秘密…
これから俺達はどうするべきか…それが闇からさしだされた物だとしても
つかまない事は許されない事を…
「…その吸血鬼にどうやってなるんだろうって」
あまりまわりに聞こえないように静かに呟く
ここも通路だし…客足もあるから…
沙「…相羽さんのパターンはほんと“運”がよかったんです」
「運?」
沙「吸血鬼には階級があるって聞いたと思います…」
吸血鬼の階級…下級の吸血鬼は上吸につき従う…
沙「この洋館にはまだウジャウジャ吸血鬼がいます…本能だけの下級以下の吸血鬼が約８割いるとします…」
たぶん昨夜の襲ってきた一般人に憑いたゾンビみたいなものだろうか…
沙「しかし…あの相羽さんに憑いた吸血鬼のように意志がちゃんとあるものもいると思います」
確か相羽さんに憑いていた吸血鬼は上級の吸血鬼に刃向かっていたらしい
だからあのトイレの件の時俺達を助けてくれた
沙「だから相羽さんは“運”が良かったんです…それが２割の吸血鬼の中の1匹だったのでしょう」
「そうだったんだ…」
納得はついた…
後は
「じゃあ俺達が吸血鬼になるには…噛まれる事じゃなく…その２割の吸血鬼達ををまずは探さないといけないって事だよな」
沙「その通りですが…そう簡単には見つからなでしょう」
「じゃあどうやって」
沙「一つだけ…あたっていけばいいんです」
「あたる？」
沙「この洋館にでるその1匹1匹の吸血鬼を倒していけば…何か手がかりが見つかるかもしれません」
「でも…俺達は」
相羽さんのように不死身でもない…何か武器を持ってるってわけもないこれでどうやって戦っていけと？
沙「…案内したい所があります…」
「案内したい所?」
沙「はい…わたくし昼休憩があるのでその時にまた皆さんの部屋にいきますね」
何か手があるのかな？
今はこの沙羅と言う女性の事を信じるしかない…
「分かった…」
沙「では…」
そう一礼お辞儀をするとカウンターの方に戻っていった
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作者名：赤龍 | 作成日時：2016年6月28日 0時
