. TH ページ25
10月11日
彼女を見つけたのは3分前
休み時間、廊下の隅で楽しそうに友達と話す聞き慣れた声
出会った頃は、まだあどけなかったのにな
なんて、すっかり大人っぽくなった彼女の横顔をただぼーっと眺めてた
そんなおれの視線に気がついたのか、ちら、とこっちを見た彼女と目が合って
その瞬間、あっ、て顔してこっちに走ってきて、おれの隣に座った
ふわりと彼女の香りが鼻を掠めて
わけもなくブレザーの袖をいじった
なんだよ、いつもはそんなことしねーじゃん
若さ故の照れ隠し的なもんで、何。ってわざと熱のない声で彼女に聞いた
そんなおれのことを知ってか知らずか、Aは普段通りの声で
もうすぐジミナの誕生日だよ！っておれの肩を叩いた
黒板の日付を確認すれば、その日はもう2日後に迫ってて
なにも考えてなかったことにほんの少しだけ焦った
そもそもおれとジミンとは小学校からの仲だけど
Aと出会うまではろくにプレゼント交換なんてしたことなかったし
だからここ2年の妙な行事感に未だに慣れきってねーというか。
「今日の放課後空いてる？」
TH「え？…ああ、うん」
Aが髪を耳にかけながらそう言った
声が上手く出なかった
なんでって、予想外の�爐佞燭雖瓩量鸞�だったから。
去年も一昨年も当日はさんにんでお祝いしたけど、プレゼントはAが選んでくれてたし
おれの微妙な反応に、少し不思議そうな顔をした彼女
目を合わせられなくて
なんでなのか、その場の雰囲気から逃げたくて立ち上がった。
付き合ってない女とふたりなんて初めてじゃないだろ
自分でもよくわからない感情に戸惑って
この気持ちをどう自分に説明して納得すればいいかわからなかった
窓から吹き込んだ冷たい風が教科書のページを瞬く間に進めた
そんな季節
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ray(プロフ) - ぽんずさん» ありがとうございます！楽しんでくださる方がいて嬉しい限りです^ ^ (2020年9月12日 14時) (
レス) id: 6deec65d7c (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず(プロフ) - 言葉選びが素敵で、ストーリーも楽しみにしてます！ (2020年9月12日 2時) (レス) id: bbaf3f1256 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ray | 作成日時：2020年8月15日 20時
