. JM ページ16
元気ないな。
3年生になってAと同じクラスになって3か月
授業中、ふと視線を向ければ、彼女はいつも窓の外を見ていた
ただ雲の流れを追うように、こころここにあらずって感じで
さんにんで放課後に会うときもそう
目の前のストローを意味もなく見つめてみたり、ぼくたちの話を聞いてなかったり
ユンギヒョンがソウルに行ってから
見た感じ、ふたりは一度も会ってない
別にぼくたちの地元からソウルは、そんなに遠くないし、行こうと思えば行けるはずだ
JM「A、ソウルに会いにいけば？」
「んー何回も考えたんだけど、勇気が出なくて…」
JM「…勇気？」
「オッパは会いたいっておもってないかもしれないって考えたら、なんかこわくて」
そんなことないよ、って頭の中では言ったけど、言葉にはしなかった
というか、できなかった
ぼくとしては、理由は無くても、彼女が会いたいっていう気持ちだけで来てくれたら嬉しいと思う
あくまで対象がいないから想像だけど
だけど、ユンギヒョンの恋愛観がそうとは限らないし
1年待てば一緒に暮らせるんだから我慢する、と言われたら、そうだねとしか言えなかった。
テヒョンなら上手く答えるんだろうな
ぼくが、もっと彼女の気持ちをわかってあげられたらいいのに
Aの辛そうな顔を見るのは嫌なんだよ
そう思ってても何もできなくて
自分の頼りなさと、自己肯定感の低さに失望した
自分勝手に沈んだ気持ちを悟られないように、ぼくもAと同じように外を見た
梅雨が明けて、真っ青な空から差し込む光にすこしだけ嫌気がした
高校最後の夏は、もうそこまで来ていた
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ray(プロフ) - ぽんずさん» ありがとうございます！楽しんでくださる方がいて嬉しい限りです^ ^ (2020年9月12日 14時) (
レス) id: 6deec65d7c (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず(プロフ) - 言葉選びが素敵で、ストーリーも楽しみにしてます！ (2020年9月12日 2時) (レス) id: bbaf3f1256 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ray | 作成日時：2020年8月15日 20時
