嘘つきアフタヌーン【映画:時計仕掛けの摩天楼より】5月 ページ35
<−−−−ふーん。でもAは行きたいんだろ?>
月曜日に出席するパーティの出演時間の都合上、学校を早引きすることが正式に決まった。快斗君にその旨を伝えるために連絡を入れたのだけれど、話しの流れで火曜の堂本記念コンサートの話題に移ったところだった。
『−−−−それは、勿論行きたいよ。』
<なら、行こうぜ。万が一のために俺もついていくし。>
『......でも快斗君、チケットは?』
あぁそれなら−−−当てがあるから心配するな、と電話越しに彼は笑った。
『それでも脅迫状が来てるっていうし.......悪戯だとしても危ないんじゃ』
<大丈夫だって。それに、お前を狙っていた犯人がその脅迫状の犯人と同一人物かもしれないんだぜ?相手の出方を見るチャンスじゃねぇか。>
『................うーん』
快斗君の甘い誘惑と文和さんとした約束が、脳内の天秤にかかってユラユラと蠢く。
<......要はお前が緑川Aだと周りにバレなきゃ良いわけだろ?>
快斗君の言葉に、うん、と同意を示した。
<−−−−なら、話しは簡単だ。開演が夕方なら、少し早めに合流しようぜ。それから一度お前の部屋に行きたいんだけど、良い?>
『−−−−部屋ってホテルの?』
そうそうと快斗君は同意を示した。そこからだと会場にも近いし着替えやら何やら必要だろ?と彼は告げた。
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