検索窓
今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:202,153 hit

ページ30

「降谷さんについてですがーーー」

『零さん?』


「はい。Aさんの話しを聞いて思い出したのですが、彼は今悪い組織に狙われているんです。勿論、とある機関で然るべき保護は受けているようですが。」


『ーーー零さんが.......』


安室さんのその言葉に目を見開いた。

『零さんは無事なんですよね!?』

私は安室さんの袖を掴むと彼を見上げる。彼は一瞬息を詰めると、ゆっくりと吐き出した。

「今の所は。彼の存在がきちんと隠されているので。ですが、情報が出回ったらどうなるかは分かりません......ですから、今後一切、降谷零という名前を口に出さない方が賢明ですよ。」


『ーーー分かりました、今後彼の事は口にしません。その代わり....』


「その代わり?」

『安室さんが知っている零さんのコト、時間があった時に教えて貰えませんか?どんなことでも良いんです。口外は絶対しませんから。』


「忘れたがっていたのでは?」

『忘れたいですよ。なのに、そっくりな貴方が目の前にいたら、いつまでも忘れられないと思いません?』

「だからこそ、上書きできるのでは?」

『.........それは』


そう簡単にできるものだろうか。言葉を止めた私に呼応するように、顎に指筋を添えた彼は考えこむ素振りを見せる。


他の男にご執心な貴女に少しやけますね、という言葉の割に笑顔を向けてくる安室さんが嘯いているように見えた。どうせ、大人の戯れだろう。こんな小娘をからかって楽しいのだろうか。


『ーーー本気でそう思われたのだとしても、貴方のようなズルい大人には丁度良いんじゃないですか?』


それに貴方のお誘いへの返事はまだしてませんから、そう言う私の言葉を聞いた彼は一転して苦笑を零した。
それを横目で確認すると、笑顔を貼り付ける。






『交際の件ですがーーーとりあえずは、そうですね.....私の先生ということでお願いします。』

「先生?」


『安室せんせー、私に勉強教えてください。よろしくお願いしまーす!』


「..............まぁ、今はそういう間柄ということにしておきましょう。」



彼の知識や教え方の上手さは何とも捨てがたい。交際するかどうかは、もう少し仲良くなってから判断することにした。

魔法使いは誰?→←▼



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
154人がお気に入り
設定タグ:赤井秀一 , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:ミステリー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ナツメ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年12月9日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。