monologue of… ページ50
＊
「俺は敵だ、叛逆者だ」
前世の記憶なんて持つもんじゃあないぜ、路傍に咲く花にそう吐きかけた。
「愛していた」
そうだ。確かに俺は彼女を愛していた。ああ、泡沫の夢のような恋だった。
『転孤くん』
記憶の中のお前は、そうやって微笑んだ。お前はいつも俺を愛してくれた。
『ねえ、転孤くん！私あなたが好きよ、ふふ、愛しているわ！』
彼女の全てが好きだった。
輝き溢れんばかりの微笑みが、俺を呼び止める慈愛に満ちた声音が、光を受けてきらきら輝く金糸の髪が。そして何より、燃えるような紅い瞳が好きだった。
『いい、貴方の為なら！この命捨てる覚悟など、とうに出来ております！』
そんな彼女も俺の記憶の中ではしょっちゅう泣いていた気がする。
『幸せすぎて泣くって、とても贅沢ね』
『え？お手紙？！う"〜…嬉しいのだわ〜…』
こんなにも胸が痛くなって、目頭が熱くなるのは、どうしようもなく彼女に恋をしているからだ。ああ、始まらなければよかったのに、こんな輪廻。
始まり？
始まりはいつから？
『…金烏A。名前は既に言ったかと思っていたから…ごめんなさい』
逆光が彼女の顔を隠したあの日？
『ご機嫌麗しゅう、王子。金烏Aと申します』
あの紅の瞳に恋をした日？
『……さようなら転孤くん、私の愛した人。貴方のこと好きになれてしあわせだったわ』
彼女の手を離してしまったあの夜？
「なあ、A」
もしも、この再会が必然だったのなら。
もしも、願うことが赦されるのなら。
「なあ、一回しか言わねえから、どうか頷いてくれよ？」
俺はもう一度、お前の手を握ってもいいかな。
「待っていて、必ず迎えに行くから」
…
目が覚めた。いつのまにか泣いていて、カウンターにはきらきら光る涙が落ちている。バレないように、俺はそっと袖で拭った。
「…そろそろ開店時間です。起きてください、死柄木弔？」
「…おきてる」
すっかり辺りは薄暗い。ポツリポツリとネオンが浮かび上がる。
都会のど真ん中、星なんて見えないのは当たり前だ。否、見えなくていい。星を見たって、悲しくって悲しくって堪らなくなるだけだから。
―――…ああ、俺の嫌いな夜が来た！
《monologue of… … …の独白》
―は願う、――――、と。も――人にしないで―――た。どこ――――ないで―――かった。ただ、ただ俺だけを―――。(掠れていて読めない)
《To be continued！》
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冬谷(プロフ) - siriusuさん» こんばんわ！金烏ちゃんの口調について、皆様より度々ご指摘いただいておりましたので、説明させていただきました！よろしければシリーズ４作目、一番したのHOW SHE WAS MADE？をご覧ください♪ (2021年8月19日 23時) (
レス) id: a6a69d3325 (このIDを非表示/違反報告)
siriusu(プロフ) - 〜のだわじゃなくても〜だわ〜ですわでも話の流れで違いがわかると思いますよ！ (2021年8月19日 19時) (レス) id: 13d54f4ebe (このIDを非表示/違反報告)
冬谷(プロフ) - ？さん» こんにちわ！回りのキャラと差が出るようにわざと口癖に特徴をつけています。 (2021年3月24日 8時) (レス) id: a6a69d3325 (このIDを非表示/違反報告)
？ - なんて語尾にだわっ付けてるんですか？違和感が、、、 (2021年3月24日 4時) (レス) id: 0324f0d530 (このIDを非表示/違反報告)
みゃーお(プロフ) - 地味とか言ったら失礼なんだけど地味な瀬呂君好きだから、幼馴染ポジ最高です。とってもおもしろかった！！更新頑張って下さいヽ(*´＾｀)ﾉ (2019年1月4日 8時) (レス) id: c931ecd4cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬谷 | 作成日時：2019年1月2日 23時
