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私があいつらに手を出した翌日、何でだかしらないけどお師匠が呼び出されて、あいつとその母親に頭を下げる羽目になった。
いや、ちょっと胸ぐら掴んだだけじゃんそんな怒ることなくない？て言うか全体的に見たら９：１でこいつが悪いよ。総じてこいつが悪いよ。
「すみません、本当にすみません、よく言って聞かせますので………ほら、Aもごめんなさいして！」
『………嫌なのだわ！そもそも先に私のこと散々バカにしてきたのそっちでしょう？調子に乗りすぎなのよ、オロカモノはこうされなきゃ分からないじゃない。
そもそも、あなたがこいつにミナシゴなんて単語教えさえしなければよかったんじゃなくて？私あなたにカワイソウと思ってくれなんて頼んだ覚えはないわ、勝手に私がカワイソウだってきめつけないで！』
「こら！」
こら！っていう顔じゃなかった。お師匠明らかに笑ってた。目の前で母親は真っ赤になって震えてるし、こいつはまた泣きそうだし。先に喧嘩吹っ掛けたのはどっちよ。せいぜい後悔なさい。
「あれはダメですね、正論は時に暴力でもあります」
『(正論だったんだ………)』
「巻き込んでしまった範太くんにも謝りにいきなさいね、菓子折りもって」
『はーい』
私は道中の石を蹴飛ばして答えた。私がもし、あのときあいつらのことボコボコにしてたら、瀬呂怒ったかなあ。
「あ！A！」
『あ！いるじゃない！ねえ昨日はごめんなさい、びっくりした？』
「うん」
『ええ〜…………やっぱり？ごめんなさい』
「も〜これに懲りたら二度とすんなよな〜！」
ン〜、と心許ない声を出して応じる。うんとは言ってないよ？だから約束はしない。だって馬鹿にされるのは私だけでいい、周りの人間は関係ないわ。それがわからないオロカモノには力で示すだけよ。私のためにあなたが傷つけられていいわけないじゃない、あなたがそうしてくれたように、私もあなたのこと助けるね。
「…………あのな」
『うん』
「おまえが守ってくれてな、俺な、嬉しかったからな」
『うん』
「………次は俺が守るな」
『………ふふ、でも私は将来No.1ヒーローになるから、守られるのはあなたなんだわ』
「そこはうんって言えよォ！」
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作者名：冬谷 | 作成日時：2020年6月29日 21時
