【ヒロアカ】To my dearest. Ⅳ (ページ47)

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「おい、おいって！！なにやってるんだよ！！！おい、なあA！！！！」

『離して！離しなさい！』

「やめろ！喧嘩はダメだ！！！」

「せ、っ瀬呂！おい！はやくこいつどっかやれよ！！！」

「できたらもうしてるっつの！！」

三人いたはずのこいつらのうち、Aが胸ぐら掴んでるやつ以外の二人はもうどこにもいなくて、俺は気の毒だなあと思ってしまう。

『お前、お前さっきの言葉ここで！！もっぺん言ってみなさいよ！！！言え！！！』

「う、うるせえなあ！！何がだよ！」

『私のこと何て言ったって怒らない！怒らない、けど！！私の友達の、こと！悪く言うのはやめろ！！訂正っ、しろ！今！！』

咄嗟に俺は悲しんでしまう。俺がお前の弱点だったのか？寛容なお前の？それと同時に俺は可笑しくなってしまう。俺のことになると急に沸点低くなるのなに？

無謀にも彼女に殴りかかろうとするその腕を掴んでAは唸った！睨んだ！

『お前、次はないと思いなさい』

そういって、燃えるような赤で睨み付けた。後ろでアイツが泣き出したのも構わずに、俺の手を掴んでズンズン進んでいってしまう。ああ、はじめてあった日みたいだなあ、俺、お前の友達でよかったなあって、最初に思ったのはこの日だった。

『私ね……たぶん、だけど……』

「うん」

『個性ね、でた時にね、家、燃やしちゃって、それで……いろんな人の家にいたんたけど、ここにきたのよね』

「そっかあ」

『…………ねー、パパとママいないのって、そんなに変なのだわ？』

唐突なお前の質問に、俺はすぐに答えられなかったのを覚えている。

変？変ってなんだ？

親がいるから偉いのか？

親がいないと変なのか？

なあ、俺はあいつらが言ったミナシゴの意味もよく分からないよ。お前は分かるのか？慣れているのか？こんな悲しい音を聞いて、お前はどう思うの？

「わかんねー」

『ふうん』

「でもさ、別にいなくてもいいじゃん、困ったら俺の家きていーよ」

『え！』

「なに！」

『そんなこと言えたんだ！』

あははは！と笑って、先に走っていってしまう。だけどあんまりアイツが足早いからやっぱり俺は置いていかれてしまって、それに気付いたアイツは一目散に帰ってくる。

『ねえ、ねえ、瀬呂ありがとう！ああ、わたし、ここにこれてよかったなあ！』

「はは、なにそれ！」

俺は笑った。久しぶりに向日葵が咲いたからだった。