【ヒロアカ】To my dearest. Ⅳ (ページ40)

今日:5 hit、昨日:7 hit、合計:13,553 hit

＊ページ40

＊

轟「襖開けるぞ」

『わかった………気をつけてね』

スパン！と襖を開く。Aはエエ……と言った。そんなに勢いよく開ける？変な思いきりの良さ、何？の顔をして轟を凝視する。

轟「お」

『な、ﾅﾆ……？何かありました……？』

轟「テレビがある」

『？普通でしょう、だってこの間まで人が………』

轟「いや、普通じゃない」

『普通じゃないって、何………？』

轟「古い」
『古い』

ザザ────………

電源は誰も押していない。テレビが勝手についた！とAは意識が遠くなる。砂嵐の奥から、早口で何かが囁いている。

無理無理無理ムリ！ﾅﾆ？！最悪、なんだこれ。怖すぎる。これ聞いたらヤバイ気がするので聞きません。でも多分これ、あの…………轟くん聞きましたねこれ。

Aは迷わず手に持っている正宗をテレビへ投げ、画面に突き刺す。ブツンッ！と大きな音を立てて切れたテレビを未だ見つめて轟がひとりごちる、

「サミシイ」

『ヒョエッ……………』

これはマズいやつだ！！！！！！！と七割くらいの力でビンタする。男前にビンタするの、SAN値こんなに削れるって知らなかった。目を見開いてAを見る轟、ゲンナリしたA。

轟「………メチャクチャいてぇ…………………」

『ご、ごめんなさいね』

轟「俺なんかお前の気に障ることしちまってたか…？悪い………」

『え？！そんな落ち込、え？！！平気よ！ちょっとマズそうだったから………テレビ見つめたまんまサミシイとか……言われたら…………焦るア゛ッ！後ろ！！！！』

轟が素早く振り返る。真っ白の顔になったAが震えながら正宗を引き抜いて、丁寧に鞘に戻す。今にも泣き出しそうな顔で轟の後ろを指差し続ける。

『ン！ン！！』

轟「疑ってねえから………落ち着け金烏」

『髪のっ髪っ、髪長い女いた！あなたのこと掴もうとしてて、あわわっわたっ、わたし！』

轟「教えてくれてありがとな、気を付けていこう」

『ウン………もうヤダ…………帰りたい……』