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『もしも私が結婚して、子供が出来て………そうしたら、私はきっと毎朝ホットケーキ焼いてあげるの』
「毎朝はやめてやれよ」
『………それもそうね、週一！日曜日にしましょ！』
「てか何でホットケーキ？」
『ああ、私ね………お師匠によく焼いてもらってたのよ、あんな顔してホットケーキ焼くことに関してはプロだったの、お師匠』
「へー！意外だな、今度食べに行こ」
『私ね、実の親のことなんて、本当のところは全然覚えてなくてね、でも、お師匠が最初に私に作ってくれたのがホットケーキだったのは覚えてるのよ』
「美味しかった？」
『あはは、それが全然！お師匠ね、自炊とかあんまりしなかったの、だからあのホットケーキが初めての手作りなんだって、後で聞いたんだけどね！』
「まあ要するに真っ黒焦げホットケーキがでてきたってわけだ」
『そう！だから私が仕方なくお料理担当することになって………何回もフライパンの底ごと焦がしたり、うまくひっくり返せなかったり、形が歪だったりしたけど、何回も私のためにホットケーキを焼く練習をしてくれていたわ。寮にくる前までは、ホットケーキをよく焼いてくれたのよ、美味しかったなあ』
「お師匠さん優しいなあ、目に浮かぶよ、練習風景」
『あの人は剣道以外が下手くそだから。お師匠残して死ねないのだわ！』
「はは、俺たちまだまだ死ねないなあ！じゃあ子供の名前は？決めてんの？」
『そうねえ、私婿養子はとりたくないの、道場継がされるしね！だから相手の名字を私がもらうでしょう？そうしたら私の大好きな名字が！消えちゃう！』
「金烏？ああそうだなあ……太陽かあ、デッケー名前だな改めて………俺の名字知ってる？瀬呂」
『セロ…………書き順多いから却下ね』
「何で俺フラれたみたいになってんの？」
『うん、まあだからね………晴の字を使ってあげようかしら、太陽がよく現れてていいでしょう！』
「そうだなあ、晴かあ…………」
『穏やかに、優しく育ってほしいのだわ、きっと私の遺伝子なんて引き継いだ子は、大変でしょうけど』
「………いいや、きっと春の日みたいな穏やかな人に育つよ」
『私きっとこんなだし、長生きできないだろうなあ、ま、瀬呂、頼むわね』
「は？軽」
《Children's story……子供ができたら》
この間知り合いの赤ちゃん抱っこさせてもらったのかわいかったので………
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作者名：冬谷 | 作成日時：2020年6月29日 21時
