＊ ページ9
＊
「それでは今日も必殺技の向上！」
『よし、』
瀬「お前何すんの〜？」
『ああ、火力もっとあげようかと思って！』
瀬「うへ〜〜〜〜もっとあげんのかよ、焼け死なねえ？」
『………もう一回死んだところで、って感じよね……』
瀬「……あんま無理すんなよ」
『うん、分かってるのだわ！………大丈夫』
セメントスが立ち上げた柱に手をつく。ひたり、あの時の地面のように冷たい。
あの時、私は多分、一回死んでる。それでもここにいるのは………誰かが、助けてくれたから？全然思い出せないけど、忘れちゃいけない事のような気がする。お医者さんにも相談したけど脳に異常なかったみたいだし、よく分からないみたいだった。
でも私は、ひとまずコレでよかったなって思ってる。忘れてることすら忘れてたらヤバかったし。そういう意味では、私を意図的にこんな風にしたであろう誰かは、とても詰めが甘いように思われる。いや、あるいは、思い出してほしいのかも。
『────ッッ！！』
ごぱ、とセメントが溶けて流れる。うん、まあだいたい1500℃くらいまでなら一瞬であげられる。大抵のものは溶かすことのできる火力、でもそうじゃなくて、ゆくゆくはエンデヴァーさんみたいに使えたらなあとか思ってる。私のは単純に火力高すぎてあんな繊細な制御とか………無理だし………まあ不可能なんだけど…………
『(次のインターン、指名来てた他の事務所行こうっと！足の接地面少なく走れるようになれたら、足場も崩さずにうまく個性使って、早く走れるだろうなあ、やっぱりもうちょっと噴射装置弄ろう…………)』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 37人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬谷 | 作成日時：2020年6月29日 21時
