21話 ページ21
「A、起きろ」
『んっ……ぁ、兄貴……』
＿＿＿今日、島に着く。兄貴とも、今日で会えなくなるのか。
そう思うと、兄貴と離れたくないという思いが胸を締め付けた
「……なんだ？お前から抱き着いてくるなんて珍しいじゃねえか」
『うるせ……黙って、ろ』
柄じゃねぇ……って思う、けど最後なんだ。いいじゃないか。
朝食をハルタやイゾウと食べた後、いつも通り甲板に足を踏み入れた。
視野に入りきらない程広いこの甲板にせわしなく足を動かす男たち
初めは兄が居ればそれでよかった、兄貴の隣に居るのなら何もいらなかった。
が、今はどうだ。自分とすれ違うとこのクルー共は優しく声をかけてくる。
気が狂いそうだ。胸を痛みつけるこの気持ちが何かわからない。
ただ
兄の為、兄を＿＿＿家族をもう失わない為。なんて理由でこの先を生きようと思っていたのに
圧倒的な「白ひげ」というものをみせられ、もう勝ち目がないと分かってしまった。
「グララララ……もう一度聞く……オメェ、この後はどうするんだァ」
いつの間にか自分の後ろに来ていた白ひげがそう言う。
自分の腹の奥に響くほどのその低い声は、兄との別れを告げられている様に聞こえた。
ゆっくりと振り返り白ひげを見上げる
白ひげの隣に並ぶ数人の隊長たちも真剣な目でこちらをまっすぐ見ていた。
ニタリ…と悪戯の笑みを見せる白ひげはいつも自分の全てを見透かす目をする。
この目も、もう二度と見れない。
そして今も見透かされているんだろう……
最後に、もう一度
『最後にもう一度だけ……
＿＿＿＿＿白ひげ、自分はアンタ等と居たいよ。兄貴を失わない為にこの船に乗ろうとしてた……初めはな。
だけど、いつの間にか心も開いてたり、家族と言い合うアンタ等に少し嫉妬までしてた……
白ひげ、自分を、この船に乗せてはくれないだろうか』
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錦戸。(プロフ) - 蜜柑さん» 有難う御座います。白ひげ海賊団いいですよね^^ (2018年4月10日 17時) (
レス) id: 203568ffd1 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 錦戸。さん» 白ひげ海賊団大好きなので続き楽しみにしています (2018年4月9日 3時) (レス) id: 77722fac74 (このIDを非表示/違反報告)
錦戸。(プロフ) - 黒猫の涙さん» 有難う御座います、そう言って戴けて嬉しいです。更新頑張りますｂｂ (2018年4月4日 5時) (レス) id: 203568ffd1 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫の涙 - 面白い！！続き読みたいです！楽しみにしてます。更新頑張って下さいo(*⌒―⌒*)o (2018年4月3日 23時) (レス) id: 857950a1df (このIDを非表示/違反報告)
錦戸。(プロフ) - わお、60位……ちょっともう怖くなってきてます。有難う御座います。 (2018年4月3日 22時) (レス) id: 203568ffd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：錦戸。 | 作成日時：2018年3月31日 19時
