1話 ページ1
あの日、美しかった髪も、持っていた飾りもすべて捨てた。
仇を討つため、強くなるためにそんなものいらないだろ。
もう必要なかったから。
自分の島から離れて初めてついた島で知った。
女でいると、なめられることに。
ならば
そして男でも女でもない
ああ、別に胸を切り落としたわけではない。
それに、もともと小さい胸だ。無いも等しい。
渡った島から情報をできるだけとり、また次の島へ。
戦って、身に着けた能力。無人島に籠って鍛えぬいた自身。
そして見つけた。自分からすべてを奪った＿＿海賊を
自分の生きる意味となり、理由となったもの。
だがそれももう、終わりを告げる。
真っ赤に染め上げた自分を見て怯える男。
全てを奪った海賊＿＿マッド海賊団。その船長が今目の前に居る。
総勢400人全てを倒した自身の体はもうボロボロだ。
何十発の弾丸を受けてもなお
立ち上がり、ナイフを振る自分に船長＿＿奴はこう言った。
「おい、まだ死なねぇのかよ……こいつッ！！」
カチッカチッと弾切れの銃の引き金をまだ引く奴は相当怯えているのだろう
足が震え、自分が一歩前へ進むごとに後ずさりをしていた。
もう奴の後ろは海だというのに。
このまま海へ落ちられるのは許さねェ。
自分のすべてを奪ったんだ。存分に痛みを味わってもらわなければ済まない。
奴の胸ぐらを掴み上げ、甲板に投げつける
まだ逃げようとする奴の足首から下を一瞬で切り落とせば
うるさいほどに泣きわめく。
『黙れ……お前はまだ死なせない』
「ヒッ……ァ、ァアアア゛ア゛‼」
指を一本ずつ。
スーッとナイフを入れ、落としていく。
徐々に、肘、肩、膝、胴……そして首。
切り離すだけじゃだめだ。日光で熱を持ったナイフを
奴の肌に押し当てる。その悲鳴だ。その苦しみだ。
お前の耳にやっと届いたか。
奴の命も消え、とうとう自分の生きる理由が無くなった。
あとは、これでおしまい。
小さな腰ポケットから緑色の気体が入った試験官を取り出して
甲板に投げつけた。あふれ出てくる緑色は＿＿毒ガス。
自分で作りだしたものだ。
そして体力が尽きた自分の体は、力なくその場に倒れた。
まだ動く目が船内に広がっていく毒ガスをただ見つめる。
今逝く、お兄ちゃん＿＿＿。
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錦戸。(プロフ) - 蜜柑さん» 有難う御座います。白ひげ海賊団いいですよね^^ (2018年4月10日 17時) (
レス) id: 203568ffd1 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 錦戸。さん» 白ひげ海賊団大好きなので続き楽しみにしています (2018年4月9日 3時) (レス) id: 77722fac74 (このIDを非表示/違反報告)
錦戸。(プロフ) - 黒猫の涙さん» 有難う御座います、そう言って戴けて嬉しいです。更新頑張りますｂｂ (2018年4月4日 5時) (レス) id: 203568ffd1 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫の涙 - 面白い！！続き読みたいです！楽しみにしてます。更新頑張って下さいo(*⌒―⌒*)o (2018年4月3日 23時) (レス) id: 857950a1df (このIDを非表示/違反報告)
錦戸。(プロフ) - わお、60位……ちょっともう怖くなってきてます。有難う御座います。 (2018年4月3日 22時) (レス) id: 203568ffd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：錦戸。 | 作成日時：2018年3月31日 19時
