黄緑担当は僕です！【男主】 (ページ4)

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加入までのカウントダウン⑩ ページ4

渡辺サイド

『ちびっこの楽屋に幽霊がいる』

そう、ジュニア内で噂が広まったのは、何年前の夏だろうか…

『幽霊』と言っても、新入りイジリだと察していた俺は、どの子なんだろう？と位に軽く思っていた

それでも、出会いをはっきりと覚えている

リハーサル中、視線を感じる感じると、周りの奴らがざわざわしていた日だった

視線と言っても、大人はたくさん見ていて、その日に至っては、ジャニーさんも現場に居た

視線を感じないわけがない

それでも、あたりを見渡して見た俺は、舞台袖から熱い視線を送ってくる一人の子供に気がついた

光ってるのか？と思うほど色白な上、ジュニア特有とも言ってもいい白タンクに白パンを履く彼は、確かに『幽霊』だった

俺と目を合わせても、表情一つ変えず逸らすだけ

色白い整った顔をした彼は、無表情で、静かに静かに、全てを吸収しようとする目をしていた

8、9歳の小柄な少年からとは思えない真剣な眼差しに、少し身震いをした

人間離れした彼の姿が怖かったのだろうか？

いや、、

きっとその時初めて、後ろから得体の知れない何かが迫ってくるようなそんな焦りと恐怖感を知ったのだ

忘れられない出会い。

『幽霊』は、唯だ。

(倉持唯 9歳のお話)