11.隣の席 ページ11
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その日の放課後、いつも通り準備室に行くと先生の姿がなかった。
職員室にも、何処にもいない。途方に暮れて一度教室に戻ると、私の隣の席に男の子が1人座っていた。
教室にその男の子と2人きり。なんだか気まずくて荷物を持って早く出て行こうと、ふと自分の机を見ると先ほど置いたはずのハンバーグパンがない。
おかしい。確かに机の上に置いてたのに！
ちらり、と隣を見ると目に飛び込んできたものにビックリして私は声をあげた。
「あ！！！！」
「んあ？」
よく見ると、男の子は何かを手に持っている。それは私が先生に貰ったハンバーグパン、のパッケージ。中身は空。
男の子の口の端にパンのカスがついてる。
こいつ、もしかして！！
「あ、ごめん。今すげー腹減ってて。ご馳走さま」
男の子はうまかった〜なんて言いながら呑気に微笑んでる。
嘘でしょ？食われた。
先生から初めて貰ったものを！知らない男に食われた！！！
「吐け！！今すぐ！」
「んな無茶な」
男の肩を掴んでゆさゆさ揺すっても、ノーダメージと言わんばかりにヘラヘラしてる。
こいつ、絶対許さん！！！
肩から手を離して胸ぐらを掴みかけた途端、後ろから伸びてきた手に私の手は止められた。
「A、何してんだよ！」
「お。翔ちゃん〜」
「あれ、智くん？！大丈夫？」
大丈夫大丈夫、と言いながら多分すごい顔をしてるであろう私を見ても平然としてる目の前の男。
翔ちゃん、智くん、って何その親しげな呼び方！2人、友達なの？
「こいつ、私のパン食べた！！！」
翔に言いつけるようにビシッとその男を指さしてもそいつは変わらずふにゃふにゃした笑顔で。
「ごめん、食っちった。お金払うよ。いくらだった？」
「いらない！そういう問題じゃない！」
私が男からプイッと顔を背けると翔が呆れたように私を見た。
「A、今度俺が同じの買ってやるからさ…」
「だから！そういう問題じゃないんだってば！」
お金とかの問題じゃ、ない。二宮先生がくれたものなんだもん。
怒りを通り越して悲しくなってきて、じわりと涙が滲んでくる。
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れもん♪(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！！2019年は本当に色々…ありましたね。今は完全では無いですが復活…。やっぱりニノちゃんのこと、大好きなんですよね。嫌いになれないです。休止まで精一杯応援しましょうね！これからも頑張ってください！ (2020年2月24日 20時) (
レス) id: 94ce30e2f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燐 | 作成日時：2019年8月18日 0時
