【文スト】salvation of a saint Ⅲ (ページ42)

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復讐と借りページ42

げほげほけほっ

A 敦モンゴメリはアンの部屋へと移動していた

「馬鹿じゃないの！？組合を倒した異能者があんな海辺で溺れないでくれる！？」

モンゴメリは敦に怒鳴りさらに

「貴方もよ！自分を顧みずに飛び込むなんて信じられない！」

「「此処は……」」

「水中の貴方達をアンの部屋に転送したの！あたしの異能は標的に近づかないと転送できないから……おかげであたしまで濡れ鼠よ！」

「有り難うまた借りが増えたね」

「また…？」

「ああ…Aちゃんは知らなかったか… 白鯨への潜入作戦で約束通り君を助ける心算だったでも実際は芥川に追われて墜落の時間制限もあって……」

成る程それで"復讐"ね…

「御免出来る限り捜したんだけど」

敦はモンゴメリに頭を下げる

「え……捜してくれてたの？」

「君がいないと知ってほっとしたよ」

モンゴメリは顔を逸らしポツリと呟く

「復讐なんて口実よあたしが働き始めなのは「待ってるから」って約束を守れなかった事を謝るためとそれから……」

「「？」」

敦とAは？を浮かべる

「はっくしゅん！」

敦が大きなくしゃみをした

「参ったな濡れた服じゃ後の仕事が……そうだ」

敦が何かを閃いたようだった

「水中から人だけを転送出来るなら濡れた服の水分だけを転送出来ないかな？」

「はぁ？」

「つまり……一度二人を現実に戻してその後『水分を除いた服と人間』だけを再転送するんだそうすれば一瞬で乾いた服に戻れる」

「そんなのやった事ないわよ」

「試す価値はあるよ」

三人は現実へと戻る

「あ私は水分を奪ったので大丈夫です」

Aはにこやかに云った

「(Aちゃんちゃっかり…)」

「失敗しても知らないわよ」

モンゴメリが指を鳴らすと二人の姿は消え濡れた服だけが残った

「ごめんねこうなると思った」

Aは心の中で二人に謝った

鏡花が散策していると裸体の敦が海に浮かんでいた

ある駐車場では一台の車が倒れていた

手に瓶を持ち疲れた顔をした坂口がいた

「状況は？」

「特務課の資料輸送車が襲撃され報告書が奪われました襲撃者は一名郵便夫の姿だったとか」

「定期便とは云え特務課の武装輸送車を一人で襲撃とは相当の手練れですね奪われた報告書とは？」

「機密書類番号「伊ー75ー81甲」先輩が三日徹夜して仕上げた例の"35人殺し"に関する調査記録っす」

「あれが？何故あれを……金銭的価値は無い筈ですが」

「どんな報告書なんすか？」