【文スト】salvation of a saint Ⅲ (ページ24)

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帰るべき場所ページ24

「Aちゃん」

Aは引き金に手を掛け発砲する

だが弾は太宰には中らなかった

「矢っ張り……」

「如何いう事だよ太宰」

中原が叫ぶ

「彼女自分の意思を持っている完全に操られていないんだ」

Aは発砲を続けるが足元に撃ち込まれるだけであった

まるで太宰に中てるのを拒否しているようであった

「先刻から気になっていたんだ彼女発砲をしてくる割に誰一人として中てられていないんだ全て足元に撃ち込まれているだけなんだよ彼女程の実力があり異能を保持していない中也が無傷でいられる筈がない」

「(彼仕込みの腕前だ外す訳がない)」

太宰はAに近づいて行く

「Aちゃん還っておいで」

Aは黙って太宰を見つめた

すると

「「！」」

Aは涙を流し始めた

あぁ……こんなにも美しい涙を見るのは初めてだ

「A……」

太宰と中原はAを見つめる

「Aちゃん君の帰るべき場所は此処だ」

ー戻っておいでー

太宰が手を伸ばす

するとAの様子が変わった

Aは銃から手を離したのだ

そして

「太宰……さん……中原さ……ん」

Aが名を呼んだ

「お帰り Aちゃん」

太宰は微笑んだ

彼女が"還って"きた

「私……なんて事…… ごめんなさい……」

ポロポロと涙を流す姿は小さな少女の様であった

「よく頑張ったね」

Aは泣いた

ただただ泣いた

Aは中原の手を取り中原に異能を返した

その間太宰は中原を睨み続けていたが

「それにしてもA 如何やって異能を解除したんだ？」

「…ある人が助けてくれたんです私の大切な人です」

「(私はいつになったら君に勝てるんだろうね織田作)」

「さぁ Aちゃんも帰ってきた反撃といこうか」

A達三人は芥川君と敦君を追いかけた

「多分彼の人 "あの部屋"へ行った筈です」

「"あの部屋"？それは一体？」

Aが息を呑んだのがわかった

「……嘗て私が異能を使わされていた部屋です」

Aの額には汗が浮かんでいた

「…"拷問部屋"」

「"拷問部屋"？何だソレ」

中原が怪訝な顔をする

「嘗て私は身内に知らされずに異能を使わされていました彼が私を見つけたのもその部屋です」

「急ごう」

A達はある部屋の前で立ち止まった

「此処です」

するとAがフラつく

「大丈夫か！」

中原が慌ててAを支えた

「すみません大丈夫です行きましょう」

Aの声と共に三人は扉を開けた