【文スト】salvation of a saint Ⅲ (ページ21)

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予知夢ページ21

湯川と共に屋敷の階段を登るA

「君が取り込んだレッド・マーキュリーを機械に再び戻せば爆発を起こしそのまま横浜は大量の放射能が放出され被爆する」

そうすれば君も私も自由の身だよ

「新たな世界を私と君で作り上げるんだ」

湯川は一人笑みを浮かべていた

「私はね君の異能力だけではない君の心も体も私のモノにしたいと何年も前から狙っていたんだポートマフィアに入ったのもその為だよ」

Aは何も答えなかった

「それが漸く叶うんだ」

湯川とAは拓けた屋上へ出た

「さあAちゃんその手を触れ給え」

湯川が置いた装置にAが手を伸ばす

「……如何した？」

Aの手は装置に触れなかった

「何故…何故触れない！」

声を荒げる湯川

「判らない…… でもでも嫌なんです！」

判らない！判らない！でもでも…！

「私には出来ません！！」

「善かったよ Aちゃんが無事で」

背後から声が聞こえた

「「！？」」

2人が振り返るとそこには太宰中原芥川敦の4人が立っていた

「よォ真柴否湯川手前にはきっちり礼をしねぇとな」

「何故…私の名を……」

「ちょっと色々調べさせて貰ったよ」

笑顔を浮かべる太宰

「本名は湯川学異能力名『予知夢』数年前からAちゃんに付き纏っていた謂わばストーカーだね」

「付き纏っていた…？義之さんは私の婚約者じゃ…それに"湯川学"…？」

「違う！私はAと運命を共にするんだ！」

ズキンと頭に衝撃が走る

"A"

「(何…この声…)」

「妄想癖もそのくらいにしておきな手前はポートマフィアで面倒見るからよ」

「人虎の所為で余計な怪我を負わされた」

「それはお互い様だろ！それにその怪我は奴の異能力の所為だ」

「じゃあ此奴を処すれば良いのだな」

「そういうことになるな」

芥川と敦は湯川を睨む

「Aちゃんは還して貰おうか」

光の無い目で湯川を見る太宰

「A！お前は私の婚約者だ！私の指示に従えば良い！装置に触れろ！」

ビクッと怯えるA

「でも…でも…」

「良いから！やれ！！」

湯川は怒鳴る

「無理…無理です！私には出来ない！！」

泣き叫ぶA

「誰かが私の名前を呼ぶんです！優しい声で"A"って…」

アアアアアアアッ！！

狂った様に叫ぶ湯川

「もう良い」

湯川はAを見る

「"君は見た私を守る姿を"」

「しまった！」

Aは眠りについた

「君達はこの可哀な少女を救えるかな」

湯川はニヤリと嗤った