ごめんなさい ページ20
太宰と中原は屋敷の奥の部屋へと辿り着く
「……」
太宰が中原に合図を送る
と 同時に中原が部屋へと突入
しかし 中には誰一人として姿が無かった
「外れかよ」
舌打ちをする中原
「いや そうでもないかもしれない」
太宰は寝台の下から何かを見つけた
「あ？何だコレ」
「…これAちゃんの拳銃嚢だ」
拳銃嚢の中には小さく折り畳まれた紙が入っていた
太宰は紙を広げた
太宰の瞳から光が消えていく
「何て書いてあるんだよ太宰」
中原は渡された紙を見る
そこには
"ごめんなさい"
ただ一言そう書いてあるだけであった
「何だよコレ……」
ぐしゃと紙を握りつぶす中原
「彼女はきっと自分が何をされるか凡そ見当がついていたんだろうね あの子は賢いから」
「Aは如何する気なんだよ」
中原が震えた声で尋ねる
「恐らく死ぬ気だ」
太宰は中原を真っ直ぐ見つめる
「…ッ 巫山戯んな！そんな事許してたまるか！」
「ああ 一刻も疾くあの子を見つけよう」
太宰と中原は部屋を出た
湯川とAは廊下を歩いていた
「Aちゃん 如何したんだい？」
湯川が声をかけてもAは動かない
「……Aちゃん？」
すると奥の方から怒号が響いてきた
「人虎！今こそ貴様を殺す！」
「誰がお前なんかに！」
「なっ…！君等は探偵社とポートマフィアの！」
芥川と敦は周囲を破壊していく
「真逆ここまでの威力があるとは…」
湯川の額に汗が浮かぶ
「やめないか！」
湯川が止めに入ろうとする が
「うるさい！」「貴様に関係ないだろう！」
敦と芥川は湯川に殴りかかった
「くっ…！」
湯川は受け身を取るが飛ばされる
「仕方ない」
身の危険を感じた湯川は舌打ちをし 異能力を発動した
「"君達は見た 私の異能力から解放される姿を"」
芥川 敦は眠りについた
「予想外だ… 私に向かってくるなんて…」
湯川は自分の想像し得ない事態に少々焦りを覚えた
「急ごう 彼等の様な者が他にも居るかもしれない」
湯川はAを引っ張っていった
Aは二人を見て
「ー」
ポツリと何かを呟き そのまま湯川と共に行ってしまった
敦と芥川が目覚める
「あれ？僕等は何して……」
「愚者め 貴様が寝ている間に小娘を連れて行かれた」
「お前も寝てただろう！でもAちゃんが…」
自分のせいにされて憤慨する敦 だがAを連れて行かれたのは事実だ
「急ぐぞ」
芥川は廊下を駆けていった
「待てよ！」
敦は芥川の後を追っていった
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作者名：aurora | 作成日時：2020年1月20日 0時
