【文スト】salvation of a saint Ⅲ (ページ1)

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Slap the Stick ページ1

その喫茶処は探偵社の建築物の一階にあって

「皆さん新しい依頼です」

「どなたか希望の方はー」

休憩中の探偵社員がよく屯しています

「「「「パス」」」」

そこには伸びている太宰谷崎賢治与謝野乱歩の姿があった

「反動だね……」

「反動？」

「燃え尽き症候群だよ組合戦は創立以来の大激戦だったから……」

「あれ？そう云えば国木田さんは？」

「上何か逆に遣る気出てた」

「凄い気迫でしたね」

「おばちゃんお代わり」

「はいよ」

太宰の言葉を筆頭に口々に注文をする一同

「済みません」「ご迷惑をお掛けします」

「あら若い人が遠慮なんかしたら駄目よ太宰ちゃんなんて今日もツケよ？半年払ってないのに」

「本当に一発締め上げてください」

申し訳なさそうに謝るA

「こんないい娘が太宰ちゃんの部下なんてねえ」

「おばちゃんは最高にいい女だよ」

珈琲を飲みながら云う太宰に喫茶の女性は照れながら太宰の頭を叩く

「皆さん軍警からの報告です」

敦が全員に報告を始めた

「組合壊滅後その遺産を狙った海外犯罪組織が流入しているようです」

「どうせ退屈な連中だろう？」

乱歩が飲み物を飲みながら云う

敦はモンゴメリを見かけたことを話す

「まさか探偵社の復讐の為犯罪組織と組んでこの建物に爆弾か何かを……」

「じゃこの店も危ないのかねえ？」

「危険は……珈琲の苦味と同じです覚悟ある者にとっては……それもまた風味」

「流石店長渋い珈琲一筋三十年」

「石鹸を使っても手から珈琲の匂いが取れない男」

「他に特技が……ありませんから」

「渋い」「不器用系伊達男」「素敵…」

最後の一言に反応する社員

「Aは店長が好みなのかい？」

「落ち着きがある男性は素敵ですね…」

「え！？Aちゃんの好みは店長なの！？」

太宰が一際大きく反応する

「何故そんなに食いつくのです？」

「何となくね」

引き攣った表情をする太宰と怪訝な顔をするAを見て一同は溜息をついた

翌日ー

「考えたのだけれど一階にこんな寛げる店があるのが悪いのでは？」

「そんな……」「人の所為にしないでください」

喫茶の扉を開くと中は荒らされていた

全員がその場で凍りつく

「店長！」

店長はその場でうずくまり女性は隠れていた

「知らない奴等が探偵社員を出せって……」

「太宰さん店長の……指が」

「大した傷じゃ……ありません皆様が御無事で……善かった」

この瞬間全員の心が決まった