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月下獣 ページ9

「経営が傾いたからって養護施設が児童を追放するかい?大昔の農村じゃないんだ いや そもそも 経営が傾いたんなら一人二人追放したところでどうにもならない 半分くらい減らして他所の施設に移すのが筋だ」

「太宰さん 何を 云ってー」

敦は上を見上げ満月を見た

「君が街に来たのが2週間前 虎が街に現れたのも2週間前」

「…太宰さん?」

「君が鶴見川べりにいたのが4日前 同じ場所で目撃されたのも4日前 国木田君が云っていただろう 『武装探偵社』は異能の力を持つ輩の寄り合いだと 巷間には知られていないがこの世には異能の者が少なからずいる」

「……真逆」

「その力で成功する者もいればー力を制御できず身を滅ぼす者もいる」

太宰が話を続ける中 敦の身体は変化していく

「大方 施設の人は虎の正体を知っていたが君には教えていなかったのだろう 君だけが解っていなかったのだよ」

「君も『異能の者』だ 現身に飢獣を降ろす月下の能力者ー」

「…月下獣」

そう云うと敦は白く輝く虎ー 白虎となっていた

「Aちゃん」

「きゃあ!?」

太宰はAの腕を引き自分の方へ抱き寄せた

すると虎は咆哮をあげ二人に襲い掛かってきた

太宰はAを抱え虎の攻撃を軽やかに避けた

「ちょ!?降ろしてください!私は大丈夫です!」

「君軽いね ちゃんとご飯食べてるかい?」

「人の話聞いてます!?」

そんな二人に攻撃を続ける虎

「…私を」

「何だい?Aちゃん」

「私をあの虎に向かって投げてください」

「そんな危険な事は出来ないよ」

「いいから!絶対ですからね!」

すると虎は後ろの木箱を破壊した

「こりゃ凄い力だ 人の首くらい簡単に圧し折れる」

「お願いします!」

「仕方ない いくよ」

そう云うと太宰はAを虎に向かって投げた

Aは一瞬の隙を狙い虎に触れた

するとAの瞳の色が光り輝く白銀に変化した

「…異能力」

ー聖女の救済ー

Aがそう云うと虎の様子が変化した

まるで何かを奪われたかのように狼狽始めたのだ

「…お願い 落ち着いて敦君」

だが虎は狂ったように暴れ出し太宰に向かって爪を立てた

「!! 太宰さん!!」

太宰は避けたが壁に追いやられてしまった

「おっと」

虎は太宰に向かっていく

「駄目…!!」

私はまた…!

すると太宰はAに向かって微笑んだ

「獣に喰い殺される最期というのも中々悪うはないが」

ー君では私を殺せないー

そう云い太宰が虎に触れると虎は敦の姿に戻った

人間失格→←瞳



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作者名:aurora | 作成日時:2019年3月10日 22時

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