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「い いい嫌ですよ!それってつまり『餌』じゃないですか!誰がそんな」

「報酬出るよ」

"報酬"という言葉に反応する敦

「…敦君駄目よ」

「国木田君は社に戻ってこの紙を社長に」

「おい 三人で捕まえる気か?まずは情報の裏を取ってー」

「いいから」

そう云うと太宰を一つの紙を国木田に渡した

「私一言も行くって云ってない」

「ち ちなみに報酬はいかほど?」

敦が尋ねると太宰は紙を見せた

「このくらい」

その後敦 太宰 そしてAは倉庫に移動をした

「…彼の人何の本読んでるの…」

「完全ジサツ… うげ」

敦とAは太宰の読んでいる本を見て引いていた

「……本当にここに現れるんですか?」

「本当だよ」

敦とAは不安そうな目で太宰を見る

「心配いらない 虎が現れても私の敵じゃないよ こう見えても『武装探偵社』の一隅だ」

「はは 凄いですね 自信のある人は 僕なんか 孤児院でもずっと「駄目な奴」って言われててー そのうえ 今日の寝床も明日の食い扶持も知れない身で」

"天下のどこにもお前の居場所はありはせんー"

"この世から消え失せるがいい"

「こんな奴がどこで野垂れ死んだって いや いっそ喰われて死んだほうがー」

「…敦君が"こんな奴"か」

「……え?」

「なら 人の幸せを奪い 人の大切なモノを奪い 人の人生そのものを奪った "そんな奴"はもっと死んだほうが良いのかもしれない」

ただ貴方が望むのは違う

だって敦君の瞳は 貴方の瞳は生命で輝いているもの

「……Aちゃん?」

「…何でもない 先刻のも冗談よ 敦君が不安そうだから解してあげようとしただけ」

Aは軽く笑った

だが 太宰はAの哀しげな瞳を見逃さなかった

「却説ーそろそろかな」

太宰がそう云うと敦とAは顔を上げた 空からは満月が出ていた

ガタン

「「!」」

木箱の奥から大きな物音が鳴った

「今……そこで物音が!」

「そうだね」

「きっと奴ですよ太宰さん!」

「風で何か落ちたんだろう」

「ひ 人食い虎だ 僕を喰いに来たんだ」

「落ち着いて 敦君」

「座りたまえよ 敦君 虎はあんな処からは来ない」

「ど どうして判るんです!」

すると太宰は読んでいた本をパタンと閉じた

「そもそも変なんだよ 敦君」

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作者名:aurora | 作成日時:2019年3月10日 22時

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