Muder on D street ページ31
探偵社の掃除に追われている中
「また殺人事件の解決依頼だよ！この街の市警は全く無能だねえ 僕なしじゃ犯人ひとり捕まえられない」
鳥打帽を被った青年 江戸川乱歩が笑う
「でもまあ僕の『超推理』は探偵社 いやこの国でも最高の異能力だ！皆が頼っちゃうのも仕方ないよねえ！」
敦が取ろうとした本を踏む乱歩
「乱歩さん その足元の本 横の棚に戻さないと」
「これは失礼 はい どうぞ」
そう云うと乱歩は自分では戻さず棚を指差す
するとその本を拾い上げ素早く棚に戻す国木田
「頼りにしています 乱歩さん」
「…？」
国木田さんが怒らない…？
Aの頭に疑問が浮かぶ
「そうだよ 国木田 きみらは探偵社を名乗っておいてその実 猿ほどの推理力もありゃしない」
乱歩は続ける
「皆 僕の能力『超推理』のお零れに与っているようなものだよ？」
「凄いですよね『超推理』使うと事件の真相が判っちゃう能力なんて」
「探偵社 いえ全異能者の理想です」
国木田だけでなく賢治 そして社員皆が乱歩を持ち上げる
「小僧小娘 ここはいいから 乱歩さんにお供しろ 現場は鉄道列車で直ぐだ」
「ぼ 僕が探偵助手ですか？そんな責任重大な」
「私にもそんな恐れ多くてできません」
「真逆 二流探偵じゃあるまいし 助手なんて要らないよ」
「「え？じゃあ何故」」
ー僕 列車の乗り方判んないからー
列車を降りた3人
「遅いぞ 探偵社！」
そこには険しい顔をした一人の男性 そして若い警官が立っていた
「ん きみ誰？安井さんは？」
敦とAはぐったりとしていた
「「(本当に判らないとは…)」」
「俺は箕浦 安井の後任だ」
険しい顔をした男性が云う
「本件はうちの課が仕切る 貴様ら探偵社は不要だ」
「莫迦だなあ この世の難事件は須らく名探偵の仕切りに決まってるだろう？」
乱歩は自信ありげに云う
ギョッとする敦 キョトンとするA
「フン 抹香臭い探偵社など頼るものか」
「何で」
「殺されたのがー」
ー俺の部下だからだー
警官が巡った場には一人の女性が倒れていた
警官が云う
「今朝 川を流れている所を発見されました」
「………ご婦人か」
「………」
「胸部を銃で三発 それ以外は不明だ 殺害現場も 時刻も 弾丸すら貫通しているため発見できていない」
「で 犯人は？」
「判らん」
「職場での様子を見る限り 特定の交際相手もいないようだ」
「それ」
鳥打帽を被る乱歩
「何も判ってない って云わない？」
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作者名：aurora | 作成日時：2019年3月10日 22時
