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川の男 ページ4

敦とAは二人掛かりで川から流れてきた男を引っ張り上げた

正確には敦が川から男を救出しAが二人を引っ張り上げた

「はあ はあ さすがに男性二人はしんどい…」

「はあ はあ あ ありがとうAちゃん…」

二人が引っ張り上げた男はよく見るとかなり端正な顔立ちをしていた

「…誰だろう この人…」

何となく関わってはいけないのではないかと考える
大体において何故人が川から流れてくるのか
それに先刻のことがあるせいか力が出ない

「Aちゃん?顔色が悪いけれど大丈夫?」

「全然大丈夫 気にしないで」

Aは敦に微笑む

「それよりもこの人如何する?軍警に連絡でも…」

すると 今まで眠っていた男が目を覚ました
それも勢いよく

「うおっ!」「ひゃあ!」

「あ、あんた川に流されてて…大丈夫?」

男は辺りを見回し落胆したように

「助かったか …………………ちぇっ」

「("ちぇっ"つったかこの人!?)」
「(…舌打ちしたな この人)」

固まってしまった二人に男はさらに続ける

「君達かい?私の入水の邪魔をしたのは」

「邪魔なんて僕達はただ助けようと…入水?」

「知らんかね 入水 つまりジサツだよ」

「は?」

「嗚呼 とんでもない人救った…」

「私はジサツをしようといていたのだ それを君達が余計なことを」

「は…はあ」

「敦君 この人放っておくべきでは?」

「まあ 人に迷惑をかけない清くクリーンなジサツが私の信条だ」

「クリーン…?」

「だのに君達に迷惑をかけた これは此方の落ち度 何かお詫びを」

すると男がAの方を見た

「美しい…」

「…は?」

「貴女はまるで聖女のように清く儚いお嬢さんだ!
是非私と心中をしていただけないだろうか!」

男がAの手を握る

「ちょ!?触らないでください!!敦君助け」

ぐううううう

二人が敦の方を向く

「…空腹かい?少年」

「実はここ数日何も食べてなくて……先刻まで平気だったのに」

「………何で?」

Aの困惑した様子を男は鋭い目で見ていた

ぐううううう

「………何で?」

今度はAが鋭い目で男を見た

「私もだ ちなみに財布は流された」

「ええ?助けたお礼にご馳走って流れだと思ったのに」

「敦君 意外と図太いんだ」

「?」

「?じゃねぇよ!」

モウイヤ カエリタイ

Aが泣きそうになった時

「こんな処に居ったか唐変木!」

男の名は→←人生塞翁が虎



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作者名:aurora | 作成日時:2019年3月10日 22時

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