【文スト】salvation of a saint Ⅱ (ページ49)

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終幕の宴と災厄ページ49

全てを終えた翌日

「まだですかね？」

「もうすぐですよきっと」

「ねえ～もうお菓子食べてもいい？」

「乱歩さんもう少し待ってください…」

探偵社では鏡花を迎える準備をしていた

扉が開き鏡花が入る

「「「鏡花ちゃん入社お目出度う！」」」

皆で和気藹々と盛り上がっていると国木田に声を掛けられた敦 A 鏡花

ぐちぐちと説教らしいものを云われたが最後には

「三人共よくやったな！」

「国木田さんに褒められましたね」

笑顔で鏡花に話しかける

「ありがとう」

お礼を云われたA

「こちらこそ街を守ってくれてありがとう」

笑顔を向けるA

この瞬間鏡花とAには確固たる絆が出来た

「でも一言太宰さんに物申したい」

アハハと笑う敦を他所に太宰を探すA

「そう云えば……太宰さんは？」

太宰はある絵を眺めていた

「変な絵だねえ」

「絵画を理解するには齢の助けが要る」

横には広津が座っていた

「広津さん例の件助かったよ」

「あの程度で善かったのかね？」

例の件とは広津から敦が単独潜入することを樋口に漏らすことによる芥川の行動のことであった

白鯨でのフィッツジェラルドとの戦いにおいて敦と芥川の共闘は力を発揮した

「何時から此の状況を目指していた？」

「敦君と最初に会った時から新しい世代の双黒が必要だ間もなく来る"本当の災厄"に備えるためにね」

太宰は続ける

「此処から先の展開は私にも見えないけれど奴は既に動いている筈だ嘗て私が一度だけ会った」

ーあの"魔人"は必ずー

ある地下室

「白鯨の墜落には失敗しましたかですがほぼ計画通りです組合に内乱を誘発させその隙に資産の四割を簒奪」

パソコンをカタカタと打つ男

「また横浜を傷つけ敵を弱体化させ有能な異能者の勧誘にも成功しましたから」

「私は勧誘されたつもりはない」

そこには組合の構成員であるナサニエル・ホーソーン能力名『緋文字』がいた

「意識不明のミッチェルを治す条件で一時的に手を貸しているだけです」

ミッチェルとは客船の爆破の際芥川に襲われたマーガレット・ミッチェル能力名『風と共に去りぬ』であった

「結構です牧師殿」

男は爪を噛む

「共にこの地を罪深き者の血で染めましょう」

ーより良き世界の為にー

フョードル・ドストエフスキー能力名『罪と罰』

彼は一枚の写真を眺める

「さあこの汚れた世界で貴女はどう生きる？」

ただ微笑むその姿はまさに魔人そのものであった