取引と事実 ページ47
「中原さん 大丈夫ですか？」
「ああ ありがとな」
中原はAの頭を撫で気を失った
この蛞蝓は と嫌な顔で太宰は呟いた
「中原さん大丈夫でしょうか」
「中也は大丈夫 それよりも君だよ」
太宰はAを見る
「君 拘束されている間Qの異能を一度奪ったね？躰の負担も相当大きい筈だ 何故あんな無茶したんだい？」
「私の能力のせいで皆さんが危険に晒されているのを黙って見ていられません」
それに とAは太宰を真っ直ぐ見つめる
「助けに来てくれると信じていましたから」
敵わないな この娘には
太宰は微笑む
「まあ帰ったら与謝野先生の治療とお説教だろうね」
悪寒が走るAはどう逃れるか考えていた
そして其の侭帰ろうとする太宰に
「中原さん 連れて行かないんですか？」
と云うと
「大丈夫大丈夫 自力で中也は帰れるから」
と云いさっさと歩いて行ってしまった
さすがに心が痛んだため 手袋 帽子 外套を中原に掛けて帰っていった
「太宰さんが久作君の異能名を教えてくださって助かりました こうなる事を予想してたのですか？」
「可能性の一つとしてね これだけは避けたい可能性だったが」
太宰はAを見つめ
「本当に辛い思いをさせたね ごめんね」
と謝罪をしてきた
「そんな 太宰さんのおかげで異能を一度奪えたんです」
「さあ ここから反撃していこう」
数日後
乱歩と与謝野が『組合』設計者長 エドガー・アラン・ポオ 能力名『モルグ街の黒猫』との戦いに勝利し 組合の現拠点である『白鯨』の攻略法を手に入れた
太宰と乱歩の謎の会話が成立後 敦の単独潜入が決定
Aは太宰と共にある人物の見舞いへと向かった
「ハァイ 安吾！元気かい？」
「安吾…？」
坂口は先日 車に乗っているところを襲撃され重傷を負っていた
そこで太宰は坂口に取引を持ち掛けた その内容は鏡花を救うというものであった
が ここで思わぬ事実が発覚する
「鏡花が探偵社員じゃない…？」
混乱するAを他所に太宰と坂口は話を進めていた
「そうかい ……また来るよ」
太宰はそう云い立ち去ろうとした
坂口はAを見て一瞬だが 苦しそうな表情を浮かべた
「…？」
そして視線を太宰へと戻す
「太宰君 治療と引き換えに協力する「取引」確かに受諾しました だから一つ教えてください 正体不明の車に突っ込まれた時 何故か僕の緩衝嚢だけ開かなかったのですが……理由をご存じありませんかねぇ？」
坂口の質問に太宰は微笑むのみであった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 42人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：aurora | 作成日時：2019年9月28日 18時
