【文スト】salvation of a saint Ⅱ (ページ43)

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眠り姫様の荊の棘ページ43

その後言葉を発さない太宰に不安が募る中原

「Aが如何したんだよ！」

「Aちゃんの格好が煽情的なのだが」

「……あ？」

「だから Aちゃんの姿がせんじー」

太宰が云い切る前に中原が本気の蹴りを繰り出す

「手前本当に此奴の上司かよ！」

中原の蔑む目

「だってよく見てご覧よ手首は上に縛られ脚は固定され服は所々裂けているあれを見て興奮するなと云う方が無理だよ！」

この男本当に最低である

だが中原もそこまで否定は出来なかった

太宰の云う通り Aの今の姿は中々にクるものがあった

「…まあ確かにそうではあるな」

「でしょ？」

「…最っ低」

中原と太宰はもう一つの声がした方へ顔を向ける

「……最低ですね本当に」

Aの稀に見るまるで塵を見るような目を向けられた太宰と中原

「Aちゃん…？」「いつから手前聞いてた？」

震える太宰と中原

「中原さんが私の名前を叫んだ後からですかね」

つまり"最初から最後まで"である

「いやこれには訳があるのだよ」

「A 話を聞け」

「五月蝿い聞きたくない助けに来てくれると信じて待ってて来たと思って感謝を述べようと思ったらこれですよ貴方達の頭如何なってるんですか」

珍しく毒を吐くAの姿に

ちょっと良い

なんて考え出す二人であった

「ととにかく木の根を切り落とさないと中也短刀貸して」

「あ？あぁ……ん？確か此処に……」

「あさっき念の為掏っておいたんだった」

「手前……」

「さてやるか」

太宰はそう云うと久作の首に短刀を当てた

「……止めないの？」

「首領には生きて連れ帰れと命令されてるだがこの距離じゃ手前のほうが早えそれにその餓鬼を見てると詛いで死んだ部下達の死体袋が目の前をちらつきやがるやれよ」

「そうかい ……じゃ遠慮なく」

太宰は短刀を掲げ木の根を切り始めた

「ふん…… 甘え奴だそう云う偽善臭え処も反吐が出るぜ」

「Q が生きてマフィアに居る限り万一の安全装置である私の異能も必要だろ？マフィアは私を殺せなくなる合理的判断だよ」

「……どうだか」

「マフィアが彼を殺すのは勝手だけどね大損害を受けたマフィアと違って探偵社の被害は国木田君が恥ずかしい台詞を連呼しただけで済んだから」

「社員に詛いが発動したのかその後如何した」

「勿論録画したけど？」

「(探偵社にも太宰で苦労してる奴が居るな……)」
「(国木田さん心中お察しします……)」