【文スト】salvation of a saint Ⅱ (ページ34)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:37,286 hit

絶望の始まりページ34

「君の異能は"自分を傷つけた相手を詛う"能力詛われた相手は狂乱して周囲を無差別に襲う」

ジョンはAを見た

「そして彼女の異能は相手の奪ったモノを返還する際その力が2倍となって返る現在彼女は僕の葡萄を介して君の異能を一度奪っている」

微笑むジョン

「さてここで問題」

ー君が今異能を発動したら地上はどうなると思う？ー

「作戦参謀の計算ではこの人形の頭部を裂くと街のほぼ1/5の人間に詛いが発動する」

「駄目だ……やめろ！」

フィッツジェラルドは続ける

「何も知らん現地民を犠牲にするのは俺も気が重いだが『あれ』をこんな未開の小国に放置するわけにはいかん力と責任のある我々が管理せねばな」

「これが緊急プラン ……別名」

ー横浜焼却作戦だー

「君達の街は滅びる君達のせいでね」

「どうして…… ぼくはただ楽しく生きたいだけなのに」

ぽろぽろと涙を零す久作

「こんな力ほしいと思ったことなんて一度もないなのにどうしていつもこんなひどいことばかりぼくに起こるの？」

「……… そうだねある人は金と権力を持ちある人は地下で激痛に泣きある人は知らぬ間に街を焼きある人は子供を拷問するよう命令されるでもそういうものなんだ大人の汚い理論で言うならね『どうしてぼくだけが』と訊いたね教えるよ君が苦しむのは"君が君として生まれたからだ"」

「……！」

「君がそんな力をもって生まれた以上この結末以外ありえなかったんだ」

ジョンは切なそうに言った

「神様は居るよでも君を愛してはいない」

「厭だ厭だ厭だ厭だ！そんな世界焼き尽くしてやる！みんな呪ってやる！」

久作が叫ぶ

「呪われてあれ！呪われてあれ！呪われてあれエェ！！！」

人形が不気味に微笑んだ

探偵社屋上では太宰が上空を見上げていた

「おい太宰」

国木田が太宰に話しかける

「こいつの意味を教えろ」

首元には手形の痣が浮かび上がっていた

アッハッハひひはハハあは

不気味に嗤い出す人形

「始まったかあとはこの人形を破壊し異能発動のトリガーとするだけだな」

「判った……降参する貴方達の探し物に僕も探偵社も全面協力する」

敦の表情には絶望と焦りが出ていた

「ほう」

「だからその異能だけはその人形を破壊するのだけはー」

「成る程興味深い提案だ」

微笑むフィッツジェラルド

「よしてまは協力体制を築こう」

敦が安堵するが

ビリィッ

「生き残った奴とな」

絶望の始まりの瞬間であった