【文スト】salvation of a saint Ⅱ (ページ33)

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緊急プランページ33

ある山奥の小屋

長い階段を降りていくジョン

そこには木に縛り付けられたAと久作の姿があった

「やぁ調子はどう？」

にっこりと人の良さそうな笑顔を浮かべるジョン

「痛い痛い痛いぃぃ躰がぼくの躰が……！」

久作の躰は謎の痛みが走っていた

「ま恨むなら"緊急プラン"を考え出した作戦参謀かあのラヴクラフトの精神を破壊なんていう馬鹿を仕掛けた君自身そして彼女の宿命をを恨みなよ」

チラと久作は気を失ったAを見た

「……殺す…… 殺してやる……！」

怒りに震える久作

ジョンが木の根を踏みつけると久作は言葉にならない悲鳴を上げた

白鯨内

「おはよう虎人の少年飛行異能要塞『白鯨』での船旅は気に入ったか？」

「……」

「感動して言葉も出んか実に結構」

すると部屋の扉が開きモンゴメリが入ってきた

「彼女は……」

「あぁモンゴメリ君か？手の内を知られた異能者に戦術価値は無いのだが本人がどうしても残りたいと言うのでな」

"そしたらまた独りよそんなのって信じられる？"

「さてこうして呼んだのは君が知りたかろうと思ったからだ組合の目的そして君を連れ去った理由についてな」

「何？」

「我々はある『本』を探している」

「『本』？」

「世界にただ一冊のみ存在する本だどんな炎や異能でも傷つかないとされているその本がこの横浜の地に封印されているとある予言異能者が予知した」

「その本と僕に何の関係が……」

「君が文字通り"道標"だからだよ君を空の上にお招きしたのは眼下の街と一緒に灰になられては困るからだ」

「何？」

敦は困惑した

「異能特務課は無力化した残るは探偵社とポートマフィアだがこの二組織には流石に手を焼いていてな街ごと焼け野原にした方が後々の探し物も楽だ」

「焼け野原？そんな強力な異能がある訳…」

「これらに」

フィッツジェラルドはあるモノを出した

「見覚えがあるだろう？」

それは久作の人形そしてAの姿が写った写真であった

「"緊急プラン"」

ジョンは話し出した

「っていうのは要するに君と僕そして彼女の異能の連携さ僕の『葡萄』は宿主と他の樹木を中継し感覚を共有する能力だ今回は横浜全ての樹木を君と彼女に接合したそうとも知らない地上の人達はいつも通り木の根を踏み幹を叩き枝を切り落としてるその痛覚信号が全部今も君に流れ込んでいる訳だ」

「詛ってやる……殺してやる……！」

「そう大事なのはそれだ」