【文スト】salvation of a saint Ⅱ (ページ31)

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白鯨と光と狂気ページ31

あるビルの屋上

口笛を吹く男性

「大命中～！」

そこには旋条銃を構えてニッと笑う赤髪の男性がいた

「死にはしないけど死ぬほど痛いんだよねぇ僕の弾丸って」

「ご苦労トウェイン君」

フィッツジェラルドは敦の首を掴み上げる

「では小公女ボーイフレンドは頂いて行くぞ」

「駄……目…… それだけは……」

鏡花の顔には"絶望"の二文字が現れていた

「メルヴィル君新拠点のお披露目と行こう」

「……承知した」

"メルヴィル"と呼ばれた老人が手をかざす

すると海から音を立て巨大な白鯨が現れた

「久しいな…… 相棒」

『組合』職人ハーマン・メルヴィル能力名『白鯨』

鏡花はただ呆然としていた

「君とは会ったばかりがだ人生経験から忠告しよう」

フィッツジェラルドの瞳は冷たかった

「君に人助けは向いていない向いているのはー判るな？」

「如何して？」

鏡花から涙が溢れた

「向いていないなら如何して光を見せたの？如何して望みを抱かせたの？」

三人を乗せた白鯨は浮かび上がった

「ステルスをオンに」

白鯨は空へと姿を消した

「手を掲げろ！」

鏡花は市警に囲まれていた

「連続殺人の容疑で逮捕する！」

「………」

ただ空を見上げ鏡花は呟いた

「さようならもう私を…… 光で照らさないで……」

それから……一週間が過ぎた

鏡花の逮捕敦君が拐われ一週間太宰さんも大怪我をしていた

何度も街へ出て敦君を探したでも何処にもいない

「敦君……鏡花……」

「やっぱり外っていいなあ！みんな楽しそう…… ふふ誰で遊ぼうかな」

久作は嬉しそうに街を歩いていた

「あでも仕事が終わるまで他の人で遊んじゃ駄目って森さんに云われたんだつまんないなぁ……」

久作は一人の男性の裾を掴む

「ねぇだからおじさん遊んでよ☆」

「……？」

掴んだのはラヴクラフトであった

「おじさん組合でしょ？僕を楽しませてよ」

「楽しませる……子供を……？」

バルーンアートを思い浮かべてラブクラフトは異能を使い謎の物体を作り上げた

「ダックスフンド」

「へんてこな異能！それじゃぼくの異能も見せるね」

久作はそう云いラブクラフトに拳を押し付けた

ラブクラフトの顔に痣が浮かび上がる

「ぼくを傷つけた人にはその手形が出るんだよ」

「さぁとびっきりの狂気を見せてよ☆」

その表情は子供ではなかった

「私には……狂気はよく判らない」

久作の表情に恐怖が浮かぶ

「狂気とは……これのことか？」

うわあああああ