【文スト】salvation of a saint Ⅱ (ページ25)

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ドグラ・マグラページ25

「太宰さん何処へ行ったんだろう…」

Aは辺りを見回しながら走る

今回は四時間かな…

太宰の気迫を思い出し思わず身震いをする

「矢ッ張り戻ろうかな…」

Aが引き返そうとすると話し声が聞こえた

「Qの詛いが発動したものは厳格に精神を冒され周囲を無差別に襲う」

「(太宰さんの声… "Q"って何…？)」

Aは覗き込んだ

「(彼の人たちマフィアの…)」

太宰は続ける

「詛いを発動させる契機は詛いの根源たる人形が破壊される事だ」

ドカンと脈を打つ

「人形…」

「但し人形が破壊された時詛いを受けるのは『受信者』のみ『受信者』になる条件は『Qを傷つけること』『受信者』の躰には誰かに掴まれたような痣が浮き上がるから判別は容易だ全員に警戒を徹底させれば今なら未だ間に合……」

太宰 Aはある事に気がついた

「真逆…」

「此処に来た時……『私を守る為』と云ったね？」

樋口銀は太宰をただ見つめた

「…… しまった……！」

太宰は駆け出した

すると目の前にはAが立っていた

「Aちゃん！？君も話を聞いていたんだね」

「急がないと皆さんが…！」

「嗚呼向かおう」

ナオミが敦に攻撃を繰り返す

敦はナオミの首を絞めた

「見ろ！此れが僕だ！僕の力だ！」

敦が叫ぶ

「止めるんだ敦君！良く見ろ！」

「敦君手を離して！！」

「え……？」

構内では春野が倒れ敦の目から血が流れ出ていた

「敦さん……っお願い…… 止めっ……」

「……うぅ……」

酷く怯えた表情の二人の姿

敦の顔に戦慄が走る

「そんな最初から僕が……？ぼ…… 僕は何もただ……守ろうとして」

「僕は……」

"何が違う？"

「！」

敦が振り返るそこには院長が居た

"力に呑まれ他者を害する何も変わって居らん"

「違う！僕はただ皆を守ろうと……」

"お前の所為だ" "この世から消え失せるがいい" "愚図め" "餓鬼め"

「やめろ！やめろおおぉォォッ！」

私が叫び柱を破壊する

「嫌ぁぁぁっ！」

「ナオミッ！！」

Aはナオミを抱きしめた

「僕は違う！僕はただ……！」

敦の背後には芥川が立っていた

「これで判ったか？己が何者かを」

太宰は人形を探し掴み上げた

「消えろ」

『人間失格』

人形は消え敦の腕から痣が消えた

「太宰さんの新しいお友達ずいぶん壊れやすいんだね」

列車から笑顔を向ける久作

「けどいいんだ太宰さんを壊す楽しみが残ってるもの☆」

Qー夢野久作能力名『ドグラ・マグラ』