【文スト】salvation of a saint Ⅱ (ページ12)

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宣戦布告ページ12

「…今なんと？」

「ポートマフィアに入らないかいと云った君の力は知っていたからねまさか武装探偵社に入るとは思わなかったがね」

「何故…私のことを… 私の何を知って」

「全てさ君の過去歩んできた路そして君の淀みもね」

森は笑みを浮かべAを見つめる

このなにもかも見透かしたような瞳飲み込まれそう

コワイコワイコワイ

Aの身体はカタカタと震えだす

ーAー

Aは自分の名を呼ばれた気がした

ああ助けてくれるのですね貴方はいつもいつも…

「さあ私の元においで東野A君」

「お断り致します」

Aは凛とした表情で森を見つめた

「私はポートマフィアには入らないそれが彼の人との"約束"だから」

「私の誘いを断るかね」

「ええお断りです」

「残念だ "彼"程優秀な人物が育てたから期待したんだがね」

フッと笑みを浮かべた森

「貴方が"彼"を語るな」

Aの瞳から光が消え瞳が白銀に輝き周りの空気が変わる

「A…？」

「…ほう」

森の表情はまるで玩具を見つけた子どものようであった

「ああ矢張り君が欲しいね」

ククッと笑う森

中原はAと森の間にある空気に黙るしかなかった

「だが時間のようだお客さんも来てしまったからね」

Aと中原が振り向くとそこには

「やあ森さんそれに中也」

ヒラヒラと手を振り笑みを浮かべる太宰が居た

「太宰！手前どうやって」

「私には簡単なことだったよそれじゃあAちゃんは返して貰おうか」

太宰は手を伸ばす

「よく頑張ったね」

「だざいさ…」

Aは太宰の手を取るとそのまま気を失った

「それじゃあ森さん失礼しますね」

太宰はAを抱える

「太宰君彼女に伝言を頼むよ "私はいつでも待っているよ"とね」

森はニコリと笑った

太宰は森の言葉に返事をせず立ち去った

下へ降りると

「太宰」

太宰が振り向くと中原が立っていた

「何私が本気で怒ってるかどうかくらい君が一番判っている筈だよ中也」

「……」

「君が彼女を"どう思っている"のかは知らないけど」

ー渡すつもりは無いよー

太宰は中原を見る

中原は太宰から目を逸らさず

「せいぜい奪われないようにすんだな」

「…宣戦布告かな」

「…ああ」

太宰と中原はその後何も語らず互いに背を向け振り返らなかった

太宰中原の持つAの気持の名は

知るのはただ二人の男だけであった