【文スト】salvation of a saint Ⅱ (ページ2)

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買収ページ2

「会えてとてもとても嬉しいよ」

椅子に座り踏ん反り返る金髪の男

「プレジデント・フクナ……フクダ……」

「福沢」

「それだところでヘリを道路に停めさせたがまずかったかね？何しろヘリポートの無い会社を訪ねるのが初めてでね」

「外国の方が遠路遥々ご足労でしたなして要件は」

するとナオミが男にお茶を出した

「ほう珍しいデザインだ陶磁器は詳しいつもりだったがどこのブランドかな？ロイヤル・フラン？あるいはエル・ゼルガか」

「隣の下村陶器店です」

ナオミはそっぽを向く

「それは失礼」

男はそういうと名刺を出した

「フィッツジェラルドだ北米本国で『組合』という寄合を束ねているそのほか個人的に3つの複合企業と5つのホテルそれに航空会社と鉄道とー」

「フィッツジェラルド殿貴君は懸賞金でマフィアを唆し我らを襲撃させたとの報有るが誠か」

福沢は鋭い目つきでフィッツジェラルドを見る

「ああ！あれは過ちだったよ親友まさかこの国の非合法組織があれほど役立たずとは！」

ニコッと笑うフィッツジェラルド

「謝罪に良い商談を持ってきた悪くない会社だ建物の階層が低すぎるのが難だが街並みは美しい」

そう云い銀髪の男が机にあるモノを置く

「この会社を買いたい」

中には大量の札束が入っていた

「勘違いするな俺はここから見える土地と会社すべてを買うこともできるこの社屋にも社員にも興味はないあるのは一つ」

「ー真逆」

「そうだ」

ー『異能開業許可証』をよこせー

「この国で異能者の集まりが合法的に開業するには内務省特務課が発行した許可証が必要だ特務課の石猿どもだけは金で買収できないなにしろ表向きはないことになっている秘密組織だ連中を敵に回さず大手を振ってこの街で『捜し物』をするにはその許可証がー」

「断る」

福沢はハッキリとした声で云った

「そうか？何ならこの腕時計もつけよう限定生産で特注ダイヤがー」

「命が金で購えぬ様に許可証と替え得る物など存在せぬあれは社の魂だ特務課の期待許可発行に尽力頂いた夏目先生の想いが込められて居る頭に札束の詰まった成金が易々と触れて良い代物では無い」

「『金で購えないものがある』か貧乏人の決め台詞だなだがいくら君が強がっても」

ー社員が皆消えてしまっては会社は成りたたないー

「そうなってから意見を変えても遅いぞ」