気が気でないその子 ページ5
Aside
「…卵だけのはず、だったんだけどなぁ…」
「ほぼお菓子だけどねえ」
卵だけ買おうと思っていたのに、安いものが多くてだいぶ買ってしまった。
決してお菓子が安かったから衝動買いしちゃった訳じゃない。決して。
持つよ、と言うと彼は「帰り道一緒だし、それまで持たせてよ」と微笑んだ。
彼が待っていたはずの友達はどこに行ったんだろう。
もしかして、私の買い物が遅すぎて先に帰っちゃったんじゃ…?
「レウ君のお友達、居ないみたい…ごめんね、遅くまで付き合ってもらって」
「ああ、別にきょーさんとは何時でも帰れるから大丈夫だよ。あの人もそんなに気にする人じゃないし…」
きょーさん、は多分レウ君と帰るはずだった友達だろう。
レウ君はそれに、と続けた。
「久し振りに、一緒に帰れるでしょ?」
「…!うん。話したい事、沢山あるの」
レウ君は友達思いの、とっても優しい私の友達だ。
「今度はきょーさん?と3人で帰ろうね」
「うーん…まだだめ」
前言撤回。ちょっと意地悪。
__
レウクラウドside
「それでね、そのシャオちゃんと仲良くなってね…」
「…そっ、か。その子は部活をとっても頑張ってるんだね」
必死に声色を明るくし、表情を繕う。
Aは、今日2年生で初めての友達が出来たらしい。
その友達の話になってから、自分の表情が醜く歪みそうになるのが分かる。
…シャオちゃん、というのは女の子だろうか。
いや女の子であってくれ。切に願いながら彼女の話に頷く。
そういえば生徒会に似たような渾名で呼ばれている奴が居たっけな、確か運動部だったはずだ。
…もしかして、もしかしたら、Aが生徒会に目を付けられてしまうんじゃ…?
背中に冷や汗が伝わる。Aが話している最中だというのに、全然内容が入ってこない。
もしそうなったら去年の俺の努力は全て水の泡だ。
Aに悪い虫がつかないように男共に牽制した努力が、
Aに悪影響を及ぼしかねない女共に態々取り入って彼女と関わらせないようにした俺の努力が、全て。
「…ね、レウ君?聞いてる?」
ひょこ、とAが前を向いていた顔をこちらに向けた。くそ、心臓に響く。可愛い。
「…わ、びっくりした。…えっと、なんだっけ?そのシャオちゃんは女の子だっていう話?」
惚けながら、上手いこと聞きたいことを尋ねる。
「もう、聞いてないじゃん…シャオちゃんは男の子だよ」
「……は」
どさ。
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ハク - 軍パロとか見てみたい、、煮干し受け取ってくれたら嬉しいです、、、 (5月3日 7時) (レス) @page40 id: b87c231ef8 (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ポキ男さん» これからはniさんの受難が増えていきます…笑 コメントありがとうございます! (5月1日 21時) (レス) @page40 id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
ポキ男 - niさんの「ああ、、、アーメン、、」がすごい好き、、、 (2023年4月18日 4時) (レス) @page19 id: 9d80ea5bad (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ななさん» !!???!!ごめんなさい今気づきました…!!2つ試作していたのが片方非公開になってなかったみたいです。すみません、御指摘ありがとうございます! (2023年4月16日 10時) (レス) id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ユキさん» わ〜!嬉しいです!更新が遅いですが、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます! (2023年4月16日 10時) (レス) id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:社 | 作成日時:2022年9月4日 15時