危険だよあの子 ページ25
「ごめんね風見さん。悪いんだけど、一緒にプリント運んでくれないかな」
児島先生は、女の子の皆から好評の先生。私はあんまり分からないけど、イケメンで優しい先生なんだとか。
はやく生徒会室に行かないといけないのに…。
なんて思ったけど、断るのはなんとなく気まずいし、もし私が断って先生の作業が大変になったら申し訳ないから、私ははい、と答えた。
レウくんを待たせているんだ。彼に近寄って、話が終わったことを伝える。
「どうしたの、レウくん」
レウくんは児島先生を一瞥した後、此方を見て微笑んだ。
「今日一緒に帰ろうかな、って思って。」
生徒会の話、聞きたいし。
そういうレウくんの目は、どこか険しそうで。
今日もレウくんと帰れるんだ!私の頭の中はそれでいっぱいになって、自然と笑顔がこぼれた。
「うん、帰りたい…!昇降口で待ってて。」
分かったと頷くレウくんに、同じように頷いて私は児島先生の後ろに着いていく。
「…っと、ごめんね。結構重いかも」
「んしょ…大丈夫、です。どこまで持っていけば…?」
「あ、生徒会に呼ばれてたんだっけ。そうだな…4階のパソコン室なら、そこまで距離も無いかな」
「わ、ありがとうございます」
わざわざ配慮までしてくれるとは、噂通りのいい人。
…どこに持っていくのって、決まっているものじゃないのかな。
黙々と階段を昇って、4階、突き当たりのパソコン室に入る。
「ここに置けばいいですか?」
「あ、奥の方にお願い。」
棚に向かい、大量のプリントを上に置く。
…兄さんやしんぺーさん以外の先生と話すの、苦手だなぁ。児島先生に嫌な思いをさせていないかな。
「風見さんてさ」
パチン。
部屋の電気が消えた。パソコン室はカーテンで締め切られていて、私の視界はまっくら。
「せん、せ…?」
「おバカさんだよねぇ」
ひゅ、と息が詰まる。悪寒は鳥肌に変わって、顔から熱がどんどん引いていくのが分かる。
先生はどんどんこっちに近付いてきて、足音しか聞こえない分怖さが増す。
「……この2年、ずっと君のことしか見ていなかったのに。周りのガキはさ、正直どーでも良かったんだよね。なのに君は!!!僕を見ているようで見ていない!!!」
「…今日の放送で焦ったよ。君に僕がしてきた事がバレて君が生徒会に告発したんじゃないか…って。」
「私、わかんな、」
早口で捲し立てる先生に、私は足の力が抜けてしゃがみこんでしまった。
"かわいそう"なあの子 ※ちょっと注意→←お呼ばれしたあの子
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ハク - 軍パロとか見てみたい、、煮干し受け取ってくれたら嬉しいです、、、 (5月3日 7時) (レス) @page40 id: b87c231ef8 (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ポキ男さん» これからはniさんの受難が増えていきます…笑 コメントありがとうございます! (5月1日 21時) (レス) @page40 id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
ポキ男 - niさんの「ああ、、、アーメン、、」がすごい好き、、、 (2023年4月18日 4時) (レス) @page19 id: 9d80ea5bad (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ななさん» !!???!!ごめんなさい今気づきました…!!2つ試作していたのが片方非公開になってなかったみたいです。すみません、御指摘ありがとうございます! (2023年4月16日 10時) (レス) id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ユキさん» わ〜!嬉しいです!更新が遅いですが、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます! (2023年4月16日 10時) (レス) id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:社 | 作成日時:2022年9月4日 15時