バレていたあの子 ページ17
兄さんside
「………あ?」
昼休み、生徒会室で、顧問の役目の一つである作業の監督をしていた時。
俺は何気なく外の生徒の様子を見てやろうと窓に目を向けた。
…旧校舎の、屋根。
ただのマセた男子生徒なら、ここからは距離もあるし見無かったことにして1回くらいお咎めナシにしてやろうと思ったが、そうも出来ないかもしれない。
見慣れた肩までの黒髪。ベージュのカーディガン。
極めつけは今の時期には珍しい黒タイツ。
「……A?」
心配と疑問で、頭の中が混乱に陥る。
どうしてペ神の所に行ってないのか。どうして旧校舎の、しかも屋根の上に居るのか。横を向いているから誰かといるのは確実だろう、相手は誰だ。屋根の上だぞ、危ないじゃないか。
「どうした兄さん」
その思考は、ある男の一声に寄って一時停止した。
「あ、あぁ…グルッペン。大丈夫や。」
ある男____生徒会長の、黒川統。あだ名はグルッペン・フューラー。
そういえば監督しとる最中やった。いや、でもAの事が気になる。俺が見とらん隙に怪我をしないか、今からそこに走って指導しようか………。
なんて一点も視線を変えずに考えていたら、グルッペンにその視線の先を辿られてしまったらしい。
「そうか?冷や汗をかいとったからな、…………む」
「あれは…風見A?確か兄さんの
屋根の上に登るとは……
そう新しい玩具を見つけたように笑みを浮かべる彼に、俺は苦笑いを浮かべながら背中の冷や汗を必死に隠した。
…今の時点で俺達に、Aと彼らを関わらせる気は毛頭ない。
彼らが普通の生徒会ならまだ良かった。
しかし彼らは普通と違う。
学校という小さな社会の指導者的存在で、惚れた女生徒は校則ギリギリのファンクラブを作っている始末。
少し口下手だけどお人好しなAには、きっと良い友達になるだろうが、十中八九過激な
彼女を守る為に、壁を作っている。
「…や、別にええんとちゃう。1回くらい目ぇ瞑ったろうや。…それにまだ作業、残っとるんやないの?」
「ゔ…………然し生徒指導は必要だゾ!そうだな、放課後呼び出しだ!いいなロボロ!」
…ああ、アーメン。
(やっと、やっとだゾ!)
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ハク - 軍パロとか見てみたい、、煮干し受け取ってくれたら嬉しいです、、、 (5月3日 7時) (レス) @page40 id: b87c231ef8 (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ポキ男さん» これからはniさんの受難が増えていきます…笑 コメントありがとうございます! (5月1日 21時) (レス) @page40 id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
ポキ男 - niさんの「ああ、、、アーメン、、」がすごい好き、、、 (2023年4月18日 4時) (レス) @page19 id: 9d80ea5bad (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ななさん» !!???!!ごめんなさい今気づきました…!!2つ試作していたのが片方非公開になってなかったみたいです。すみません、御指摘ありがとうございます! (2023年4月16日 10時) (レス) id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ユキさん» わ〜!嬉しいです!更新が遅いですが、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます! (2023年4月16日 10時) (レス) id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:社 | 作成日時:2022年9月4日 15時