消しゴム落としたあの子 ページ15
Aside
ホームルームが終わって、授業が始まって今は4時間目。
あの後鳥井くんはサボったり参加したりを繰り返していた。いいなあ、私も1時間くらいサボってみたい。
4時間目は地理のはずだったのに数学に変更になった。何でも、先生が風邪とかなんとか。
本当に数学は苦手。
いちいち式を組み立てないと考えられないし、冷静に考えていると時間が無くなっちゃう。
だらだらとノートに板書をしながら、隅っこに落書きをする。ふふん、この席だと割と何してもばれない。隣には猿山くんがいるけど、居眠りチクってないからおあいこ。
犬、猫、子豚、狐。それから、それから…
つん、と肩をつつかれる。
指されたのかと思って先生を見たけど、そんなこと知らない先生は気にせず黒板に文字を書いていた。
なら、なんだろう。
つついた本人である猿山くんを見ると、彼は私の消しゴムを持っていた。
「 おとした 」
そう口パクで言って、そっと渡してくれる猿山くん。
私、描くのに集中してて気付いてなかったんだ…本当に指されてたら終わってたな。
「 ありがとう 」
受け取りながら、私も口パクでお礼を言う。
その後、猿山くんはノートに何か書いたあと、静かに破ってそれを私の机にさりげなく置いた。
先生の目を確認して、バレないように折られた紙を開く。
" 絵 かわいいね "
「…ふふ」
思わず笑みがこぼれてしまう。
誰にもバレてなくて良かった。あの先生、怖いもの。
周りと答えを確認する時間になって、私は答え合わせをする振りをしながら彼のノートに落書きをおすそ分けする。
季節に合わない赤い一松模様のマフラーをした、彼のカバンに着いているマスコット。
たまにちらちら見える時があって、そのマスコットの可愛さにわりと元気を貰ってたり。
「…これ」
「ふふ、可愛いよね、それ」
"お友達になりませんか"
マスコットの横に小さく折りたたんだ紙を置いてみる。
……もしダメなら、ダメでもいい。
一縷の望みにかけて、私は返答を待った。
…紙が返ってくる。お世辞にも、綺麗とは言えない乱雑な折り方で。
そっと、でも微かに期待と緊張が入れ混じった手でその紙を開ける。
"俺でよければ"
横には小さく猫が描いてある。
もう、本当にどうしようもなく嬉しい。
自然と強ばっていた表情はゆるゆると力が抜けていって。
…その後のワークの内容で、話を聞いていなかった事に少しだけ後悔したのはここだけの秘密。
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ハク - 軍パロとか見てみたい､、煮干し受け取ってくれたら嬉しいです、、、 (2023年5月3日 7時) (
レス) @page40 id: b87c231ef8 (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ポキ男さん» これからはniさんの受難が増えていきます…笑 コメントありがとうございます！ (2023年5月1日 21時) (レス) @page40 id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
ポキ男 - niさんの「ああ、、、アーメン、、」がすごい好き、、、 (2023年4月18日 4時) (レス) @page19 id: 9d80ea5bad (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ななさん» ！！？？？！！ごめんなさい今気づきました…！！2つ試作していたのが片方非公開になってなかったみたいです。すみません、御指摘ありがとうございます！ (2023年4月16日 10時) (レス) id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
社(プロフ) - ユキさん» わ〜！嬉しいです！更新が遅いですが、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます！ (2023年4月16日 10時) (レス) id: 573037bf60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：社 | 作成日時：2022年9月4日 15時
