家族 ページ22
「なんで」
突然言われて、わけがわからない
何故、彼らに会いに行ってはいけないのか
「また発作起きたら困るでしょ」
「毎回起きるわけじゃない」
「それに、彼らはアイドルだ。軽々しく歩み寄っちゃいけない」
「天だって同じ」
「僕と彼らじゃ事情が違う」
天の言葉に言い返せば、天も一切引くことはない
「A、僕は君を心配して…」
「違う」
足を止めると、天が数歩先で振り返った
「違うって、何が」
「天が心配してるのは私じゃない。自分のことを探られること」
「そんなことない」
「ある」
天は自分のことを話さない
それは、単に聞き上手であるとかそんなんじゃなくて、自分を探られるのが嫌だからだ
どうしてかは知らない
それでも、自分について聞かれるときにあまり良い感情を抱かないのは、知ってる
勿論それを顔に出しているわけではない
それは多分、生身の自分を知られ、拒絶されることへの恐怖
「…別に、陸さんに天の話をするつもりなんてないし、聞くつもりもないよ」
「別に、そんなんじゃ…」
「天が自分のことを話さないのは今始まったことじゃないし、それを今更どうにかしようなんて思ってない」
「…そう」
「でもね、家族は、家族にしかなれないの」
「…A」
「帰ろ、天」
再び足を前へ動かすと、天は私が隣に来るのを待って、一緒に歩み始めた
「ねえ、A」
「なに？」
「…何でもない」
「そう」
白い吐息が２つ、現れては消える
ふと見上げた夜空には、オリオン座が一際輝いていた
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ゆきな(プロフ) - とっても面白かったです！続きがとても気になります (2019年12月28日 3時) (
レス) id: 0b67114e74 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜架(プロフ) - Sora君さん» コメントありがとうございます！ずっとお話を溜めていたので、コメントが励みになります。これからもよろしくお願いいたします！ (2017年3月19日 21時) (レス) id: 3417dbbffc (このIDを非表示/違反報告)
Sora君(プロフ) - お話すごく面白いです!!更新がんばってください!! (2017年3月19日 20時) (レス) id: 4ea93103b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧 | 作成日時：2017年3月18日 13時
