冷たい手、温かい心 ページ15
大和さんがキッチンにいる間、部屋を眺めていると、額縁に入った写真があった
近づいてよく見ると、それは、先ほど家で見た音楽番組に出ていた赤毛のアイドルが写っている写真だ
天に似ている
そんなことを思いながら、ほかのメンバーに目を移す
浅葱色の髪、紫がかった白髪、綺麗な金髪
色彩豊かなメンバーの中に、見知った顔を見た
深緑と、サーモンピンクにちかい橙色
「ねえ」
「何だ？」
「これ、おにーさんとおかーさん？」
キッチンから顔を出した大和さんは、写真を見て少し顔を引き攣らせた
「あー、まあ、な」
「ふうん…まあ、二人とも格好いいもんね」
特にそれ以上興味もなかったので、座っていた椅子へ戻る
「…どしたの」
「…いや、俺たちのこと、本当に知らないんだなと」
「テレビ見ない」
「…そうか」
心なしか、大和さんは少し楽しそうに見えた
「…ねえ、大和さん」
「…！？なんだよ、急に」
「あのね」
言いかけた時、ガチャと扉の開く音がした
「ただいま。誰か来てるのか？」
そう、入って来たのは、橙色の彼
「おかーさん」
「え、お前…」
「…お邪魔してます」
大和さんと全く同じ反応
少しおもしろい
「わざわざ礼に来てくれたらしい。手土産にプリンまでくれた」
「そんなたいしたものじゃない」
「あのプリン、高いところのだぜ？」
「…そう」
おかーさんは、片手に持っていたビニール袋を食卓に置いた
「そうなのか。わざわざありがとな。俺は和泉三月。お前は？」
「A」
「よろしくな、A」
差し出された手を握る
おかーさん、改め三月さんの冷たい手は私の手に冷たさを分けた
手が冷たい人は心が温かい、なんて
三月さんの笑顔はとても温かかった
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ゆきな(プロフ) - とっても面白かったです！続きがとても気になります (2019年12月28日 3時) (
レス) id: 0b67114e74 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜架(プロフ) - Sora君さん» コメントありがとうございます！ずっとお話を溜めていたので、コメントが励みになります。これからもよろしくお願いいたします！ (2017年3月19日 21時) (レス) id: 3417dbbffc (このIDを非表示/違反報告)
Sora君(プロフ) - お話すごく面白いです!!更新がんばってください!! (2017年3月19日 20時) (レス) id: 4ea93103b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧 | 作成日時：2017年3月18日 13時
