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涼「このお花なぁーに?」
慧「スノーフレーク。真っ白で綺麗だねぇ」
涼「きれー....」
兄はお花が大好きな人だった
だからこうやって中庭の大きな花壇を2人で眺めては
また一つ、花の名前を知るのが日課になっていた
涼「あそうだっ!あのね、りょうね、よつばのクローバーずっと探してたんだけどね、....その」
久しぶりに会う兄に渡してあげたくて
毎日一人で、いやたまに知念も一緒に探していた
四つ葉のクローバー
慧「四つ葉がいいの?」
涼「....うん....。ぜんぜんみつかんないの」
慧「そうだなぁ、この辺は?」
涼「....ない!」
慧「ぷっ、なかったかぁ」
けらけらと鈴のような声で兄が笑う。
金色の柔らかな日差しが透けるように白い兄を
包んでいる
このまま、溶けて消えてしまいそうで。
花を見つめる横顔を、ずっと見ていたくて
繋いだ右手を固くした
しばらくそうしていると
色とりどりの花が私を見てというように可憐に咲き誇っているなか
白桃色の、星屑のような花弁が目に止まった
その花のまわりだけ、朝露に濡れてプレシャスの輝きをまとっているよう。
涼「....お兄ちゃん、このお花は?」
慧「.......あぁそれはね
リモニウムっていうんだよ」
涼「りも、?」
慧「......そうリモニウム。....花言葉は.....
っ」
涼「え________。」
金木犀の香りが、すっと空を切った。
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作者名:。_。 | 作成日時:2020年8月19日 15時