リモニウム〈yt×ym〉 (ページ2)

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あっぶな...

視界を遮る資料の山を横にずらして下を見れば
ぺたんと座り込んでいる人。

裕「あ、すみません.....！怪我とかないです......か」

？「はぁっ.......ん........」

こくん、と頷くその人

綺、麗.......

顔を上げたその人は2次元か何かから出てきたのかと思うほど浮世離れした顔立ち

肌白....睫毛なが....

こんな子ここにいたんだ...

？「っは.......ひっ...」

あまりの美しさにしばらくフリーズしていたけど
座り込んだまま荒い呼吸を繰り返す彼が少し気になって声をかけた

裕「だ、大丈夫ですか？」

？「....っ」

裕「あの、」

？「っごめ、なさい.....！」

裕「えあ、ちょっとっ！」

とりあえず立ち上がらせようと思って資料を床に置いたら
彼はそれだけ言ってふらふらと立ち上がり走ってどこかに行ってしまった

え、大丈夫なの？あれ

裕「...ん？」

さっきまで彼がいた場所にふと目を向けると
白い袋が落ちている

裕「.....内服薬...........山田涼介？」

....やっぱ体調悪かったんだ
悪い事をしたという罪悪感が込み上げる

これ、どうしよ。無いと困るよね。

裕「あ"ーもう時間やばいし！」

時計を見れば教授との約束の時間はとうに過ぎている

裕「っしょ、おっも...」

しょうがない。また後で何とかして届けよう

資料を持ち直しポケットに薬を入れて
研究室へと急いだ。