BNCリーダーの初恋 (ページ26)

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本心のち自覚 1 ページ26

ピロンっと着信音が鳴り、現実に戻された。

はっと思い時間を確認しつつ電話に出る。

未玖「ちょっとA！どこにいんのよ、準備しなきゃ時間ないわよ！？」

A「ごめんごめん！今から行くね！」

「着替えはうちらの教室なら、皆ライブイベントで出払ってるから使ってー」

と言われていたので、教室に急いで向かった。

無事にヴォーカルダンス学科に着き、準備を進めた。

「でさぁ、Aって誰と付き合ってんの？」

「え゛っ！？」

タイムリー過ぎて動揺を隠せなかった。

「なんかいつも誰かしら傍にいるじゃん？

建築学科の怪力バカ？あれは彼氏なんかなーと思ってたけど。

私はその隣の耳大きい子が良いわぁー、耳触りたい。」

「ははっ。え、未玖は翔瑠くん好きなの！？いがーい！」

なんて笑いながら話して、わざと翔瑠くんの話を長引かせた。

「あ、好きとかじゃないから！耳が触りたいだけ！」

と赤くなりながら焦ってる未玖に可愛いなぁ、とくすくすと笑ってしまう。

バスコの事は今は考えたくない。

これからステージなのに考え出したら支障が出る。

自分がそうなってしまうぐらい、バスコを意識していたのだ。

その後も着々と着替えメイクを終わらせた。

未玖「やっぱAのその格好、破壊力凄いわ」

「え、今日はかなり布面積あるやつ選んだんだけど…」

普段バイト先でする時はもっと肌を露出してる衣装だが、今日は上にシースルー等を合わせて控えめにしてみた。

未玖は、以前自主練用に撮っていた動画を見たので、どんな感じなのかは知っている。

「これで何人鼻血出すか見てみたいわ」

「ちょっと、私で楽しもうとしてない！？」

私が出るという事は誰にも言ってない。

学校ではピアスやメイクも控えめにしてるし、バレたくないと思い、今回のステージは逆にちゃんと着飾った。

「さ、行きますか！」

ステージまで向かうのに、衣装の上から上着は着てるものの周りからの視線が痛かった。

「なぁ、あんな美人うちの学校にいたか！？」

「え！誰！？何学科！？」

「わぁーめっちゃ綺麗な子いる」

と、周りがザワザワしていたのに反して、

私は悪評されてるものだとびくびくしていた。

「もう学校では絶対やらないからね」

とひそひそ未玖に話す。