28. bourbon ページ34
.
祭りの気分ではないAは家に帰り、アパートの屋上で缶ビールを飲む。9時から花火が打ち上がるのだ。せめてそれだけは見ようと屋上に。
あっという間に缶ビールを飲み終えた。
「はぁ〜。ジョディと同じ状況になっちゃった…」
「誰がジョディと同じ状況になったんだ?」
「っ!?」
パッと後ろを振り向くと、赤井が居た。
「えっ、赤井?!なんでここに……」
「俺もここで花火でも見ながら酒を飲もうとしてたとこだ」
と、赤井はグラスとウイスキーと水が入った袋を小さなテーブルに置いて、バーボンを注いだ。
「そうなの…って、宮野明美は!?」
「急用が入ったと言ってどこかへ行ってしまった」
多分組織からだろうと赤井は言う。
「A、お前も飲め」
「あ…ありがとう。なによ、2個用意してたの?グラス」
「お前が屋上に行くのを見かけたからな。乾杯」
「か、乾杯」
赤井は自分のグラスに氷を入れていた。Aのは水で割り、マドラーで混ぜてやった。
グラスとグラスがぶつかる音がする。Aは一口飲んでみた。
「うわ…強いよこれ」
「バーボンさ。お前にはちょっとキツいか」
「無理!水で割っても私には…」
「そうか、ならもう少し薄くしてやる」
「あんたはロックでよく飲めるよね」
「俺はウイスキー党なんでね」
と、赤井はまた水を入れて薄くする。しかし…
「わー;やっぱり無理。ごめん」
やはりAには強かったらしい。ちなみに水割りじゃない場合このバーボンはアルコール度数63。Aはウイスキーを初めて飲んだ。
「そうか、しかたないな…」
「っ…」
赤井はAのグラスを手にとると、彼女が口つけたところから水割りバーボンを飲んだ。それを見たA。
(なんでわざわざそこから飲むのよ…/)
「やはり俺にはかなり薄いな…ん?顔赤いぞ」
「よ、酔ったのよ…っ」
「なら俺が介抱してやろう」
「そこまでしなくていい。ほ、ほろ酔いだし!」
「フ…そうか」
赤井は目を閉じてバーボンを味わう。
(ほんと、赤井って大人の男って感じ……顔が整ってるし…く、くやしい!私がこんなこと思うなんて。零と別れたばかりだっていうのに……)
Aも認めたくはないが、赤井は酒が似合う大人の男だと思った。かっこいいと思い、思わず見とれてしまった。
「なんだ、見とれてるのか?」
「ち、違うわよっ/ バカじゃない!?」
「フ…で、誰がジョディと同じ状況なんだ」
「…………」
Aは俯いてしまった。
「………」
「……私よ」
「…!」
赤井は珍しく驚いた表情をしていた。
303人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
touko(プロフ) - Yumiさん» 赤井さんかっこいいですね!私も早くくっつけたいですがまだ先になりそうです(笑) (2020年2月17日 22時) (レス) id: bc4bf8fc59 (このIDを非表示/違反報告)
Yumi(プロフ) - 赤井さんかっこいい!早く付き合ってー!! (2020年2月17日 22時) (レス) id: 21adf2ae7d (このIDを非表示/違反報告)
ひな - はい!はじめましてです!分かります(*´ω`*) 赤井しゃんカッコイイです。一緒ですね♪ (2020年2月5日 1時) (レス) id: 623759395b (このIDを非表示/違反報告)
touko(プロフ) - ひなさん» はじめまして!赤井さんかっこいいですよねっ!私も大好きなキャラです(*´∀`*) (2020年2月4日 21時) (レス) id: bc4bf8fc59 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 私も赤井しゃん好きなので嬉しいいです! (2020年2月4日 19時) (レス) id: 623759395b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kyoko. | 作成日時:2020年2月3日 14時