【テニプリ】青学の王子様［手塚国光］

seigaku.03 ページ3

「手塚君」

「水野、早いな」

「手塚君の方が早い」

「俺は生徒会長だからな。
皆より遅れるわけにはいかない」

「さすがだわ」

「………」

手塚は眼鏡を上げる仕草をして
今日の会議資料に目を通している
その横顔に見入ってしまった

「なんだ？」

「え？」

「俺の顔に何かついてるのか？」

「ごめんなさい、つい見ちゃってた
手塚君て大人っぽいし、頭いいし格好良くてつい」

正直な事を言うと、

「そ、そうか…」

ちょっと照れくさいと感じる手塚

「ね、今度テニス部観に行ってもいい？
練習の邪魔しないから」

「ああ、構わない。いつでも観にくるといい」

「そういえば周助君が前に言ってたけど…」

「…！」

すると少し驚いた顔をする手塚

「どうしたの？」

「……不二の事を名前で呼んでいるのか」

「あぁー、2年の時に彼がそう呼んでって言ったの。
とても仲がいいんだよ私と不二君」

「そうだったのか。それならテニスコートに来ても
不思議ではなかったが…一度も見てないな」

「私はバスケ部の方を観に行ってたわ。
弟がバスケ部だからね」

Aには翔哉という弟がいる。
応援に行っていたが生徒会になってからは
行けていない。
翔哉にも集中したいから来なくていいと言われた


「ほお、バスケ部か」

「うん」

「お前はなぜ部活をしなかったんだ？」

「私は頭良くなりたくてね。部活じゃなくて
勉強に集中してたのよ。だから塾行ってたりとか
してたから入ってないの」

「塾に行かずとも、水野は充分な成績だと思うが」

「でもあなたには勝てないもん！」

手塚はテストの順位はいつも1位だ


「それは…当然だ。努力は嘘をつかない」

「うん、そうよね。もう塾は辞めたの
今はもう大体解るから」

「そのようだな」

「1年の時は成績はかなり下の方だったの
もう自分が惨めになってきて、自分から塾に…」

「だが今の結果はずっと俺の次をキープしている
お前はよく頑張っていたんだな。
頑張る人はとても好きだ」

少しだけ微笑んだ気がした

「て、手塚君……」

好きだという言葉がAの頭の中でループした
手塚の微笑みも見逃さなかった

手塚に対して何故か心臓ばくばく

(な、なんでこんなに鼓動が速いの…！)

「ん？どうかしたのか？」

「い、いや…なんでもないの！」

「そうか？」

「うん…っ、そろそろ皆来るわね」

「ああ、そうだな」

その後すぐに他の生徒会の生徒が集まってきた
だんだんとAの胸の鼓動は治まってきたのである

seigaku.04→←seigaku.02

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す