ぽんこつマンネの奮闘記。 (ページ5)

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無力さと希望ページ5

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脱落する仲間を見るのは、なぜこんなにも辛いのだろう。

今日、フィリックスが脱落した。

何も出来ない自分が、無力な自分が嫌になる。

沢山の涙を流して、嗚咽を漏らす弟にかける言葉は？

何で、………見つからないのだろう？

心にぽっかりと穴が空いたような感じだ。

リーダーなのに、視野が狭いとかそんな甘いものじゃなくて。

…盲目だ。先はずっと暗い。

最近、メンバーとして入ってきたAにすら向き合ってやれない。

紅一点。ペンに叩かれ、メンバーには認められない。

助けてやりたい、信じてやりたい。

理解してあげたい。

だけど……

………誰かを気にかける余裕が今の俺にはない。

終わりの見えないエレベーターのような光景が、

真っ暗で灯の１つもない道が、

暗闇が続いていくだけ。

通路の端に蹲っても、正解がわかることなんてなくて。

自分の不甲斐なさに涙が出るんだ。

「……ッッ…俺は…本当に…………」

無力だ、そう言いかけた途端、ふわりと誰かに包み込まれた。

『…リーダーだから、とか気取らないでください。

溜め込まないで、全部涙と一緒に流せばいいんです。』

きっと心が軽くなるから、そう優しく笑った。

この言葉にどれだけ救われたことか、きっとお前は知らないだろうけど。

「ッ………」

『無理、しないで』

ありがとう、そう言おうとしたのに。

溢れる涙は止まることを知らなくて。

心に空いた穴が、少しずつ修復されていくような気がした。

* * * *

俺が泣き止むまでAは、俺の背中を規則正しいリズムで叩いていた。

「…ありがとな」

散々泣いた後の声はしゃがれていて、ガラガラだった。

「……くっくくっ…笑」

それに反応して笑い始めるものだから、つられて俺も笑った。

こいつの隣はこんなにも温かい。

PDニムがAを中途半端な、こんな時期に無理してでも入れた理由。

Aは、Stray Kidsにないものを補ってくれる。

俺らにとって必要な存在なんだって。