検索窓
今日:1 hit、昨日:8 hit、合計:9,442 hit

189話 ページ43

零side

「覚悟しててくださいね?」

なんて余裕の表情で俺の事を見下ろす骸。
それが少しカッコいいなんて思ってしまって少し焦る。


『…どんな事をしてくるんだろうな?』

少し汗ばみながらも薄く笑って冷静を装ってそう返すと「食えない人ですねぇ…そうゆう所も好きなのですが」とさっきよりも笑みを深くして勝ち誇ったように話す。

………好きとか言われて嬉しくないからな、1mmも嬉しくないからな!


「クフフ…では僕はこれを大事に食べるとしますか。貴女が作ってくれた大切な大切なチョコを…ね」

『……っ、あぁ、じゃあな』

ひらひらと手を振って姿勢を戻してふぅ…と息を吐く。主は何処かへ行き、骸もいなくなり、孤独感が残りちょっといなくならないで欲しいと思ってしまった……。

………きっと、骸は俺の事が好きなんだろう。じゃなかったらキスなんてしない。朔にそう言ったはずなのに今度は自分がそうなるとは………ははっ。

…まだキスされた感覚が残る唇を指先で触る。思い出すのは骸のサラサラとした紫髪、そして唇に当たる暖かさがある骸の唇。思い出すだけでなんとも言えない感覚になる。

「なんて、言うと思いましたか?」

そう言う骸の言葉が聞こえ、後ろを振り返ろうとしたがその前に後ろからギュッと抱き締める。
…首のところで手をクロスしてるのはなぜだ?

『!?…骸?なん…』

「貴女が名残惜しそうに別れを言うからやめたんですよ。…まぁそうしなくても今日一日はずっと一緒にいる予定でしたが」

『……なら一緒にいてやるよ』

……カッコいい幻術使いさん。と小さく付け足してやればクフフフと笑って頰を俺の頭に擦り付けてくる。


なんか猫っぽいな……

190話だ→←188話だ《骸視線》



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
8人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆっくりノワール×夜野兎 x他1人 | 作成日時:2017年12月3日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。