178話だ ページ32
翌日。つまりはバレンタイン当日である今日、私はチョコクッキーを持って学校にやってきた。
すると山本と獄寺に群がる女子が多数いる。
まぁ……イケメンだしなぁ二人とも。
その近くで二人を見ている沢田君を見つけ「沢田君」と声をかけた。
「!原田さん!?お、おはよ」
「はよ。相変わらずあの二人、モテるなぁ」
「うん……羨ましいくらいにモテるよね…」
ははっと笑う沢田君。でもその笑いが空笑いだという事は知っている。
「そんなカワイソーな沢田君にこれをあげよう」
「え!?」
ニヒルと笑って私はカバンからラッピングされたチョコクッキーを沢田君に渡す。
「こ、これを…オレに!??」
「うん。といっても友チョコとしてだがな」
お前の本命は笹川さんだろ?
滅茶苦茶あっつい視線を送ってるからなぁ、お前。
「あ、ありがとう!!友チョコなんてもらったことなかったからとても嬉しい」
パアア。という明るくなっていく沢田君の表情に「そりゃよかった」と返す。
「そーいや。ずっと沢田君呼びだったよなぁ……ツナって呼んでいいか?」
いつまでも他人行儀みたいだからなぁ……うん。
「もちろん!!」
おぉ。よかったよかった。
「あ、そーだ、私も名前呼びでいいぞ」
「えっ?い、いいの?」
「うむ。呼びたまえ」
「じゃあ……朔さん」
……さん付けなのね。まあいいけど。
「おう。なんだ?」
「へ?あ、や、……なんにも…!!」
ブンブンとツナが頭を横に振った時、キーンコーンカーンとSHRを告げるチャイムが鳴り響いた。
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作者名:ゆっくりノワール×夜野兎 x他1人 | 作成日時:2017年12月3日 16時