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「どうだった?文化祭、楽しかった?」
「うん、楽しかった!」
「それは良かったね」
後夜祭まで終えた今、もう時間は普段の下校時間に比べればかなり遅くて「危ないから!」なんて言われてしまって反対なのに私の家の前まで送ってもらっている。
「ね、コンビニ寄ってかない?」
「いいけど、何か用事?」
「うん。ちょっとだけね」
彼氏とはいえ年下だし、家も反対なのに送ってもらっているなんてお礼の一つくらいしたくてコンビニに寄ってもらうことに。
好きなお菓子でもご飯でもアイスでも好きなものを買ってあげようと思ったのだ。
「ピリちゃん何か好きなのカゴに入れて。送ってくれたお礼。こんなことしか出来ないけど……」
「え!いいのに!」
「いいからいいから、ほら選んで?」
「じゃあお言葉に甘えて……!」
私もアイスでも食べようと思ってカゴに入れていればかわいらしく「これもいい?」なんて聞いてくるから「もちろん」と言えば嬉しそうにしていてこれはやばいな、なんて思ったり。
お会計を済ませてコンビニを出ればじめっとした空気にあつ、なんて声が漏れてしまった。
「アイス、今食べる?」
「あ、聞こえてた?」
「食べようって言おうかなって思ってた」
「じゃあ食べながら、ね」
片方はアイス、片方はピリちゃんの手、なんて他人からすればバカップルに見えるのかなとか思いながら今日あったことなんかを話して歩いていく。
アイスをちょうど食べきる頃にはもう家が目の前になっていた。
「ありがとうね、わざわざ遠いのに」
「ヌナの安全の方が大事でしょ?だからいいの!お礼もしてもらったしね〜」
「明日は部活もないし、次会うのは火曜日だね」
文化祭が金、土の二日間だった為、月曜は振替休日で日曜は元々部活がない日なこともあって次の登校日は火曜日。
それを知ったのか分かりやすく下唇をむっと出して悲しそうにしてるからかわいいものである。
「ねえヌナ、もう一つ、お願いしてもいい?」
「なあに?」
「キス、したいなぁ……なんて」
「……うん、いいよ」
私の頬に手を添えてゆっくりと唇が重なり合う。すぐに離れてしまったそれが少し名残惜しく感じた。
「……ヌナ、かわいい。ゆっくり休んでね」
「ピリちゃんもね。……じゃあ、おやすみ」
「うん、おやすみ」
ピリちゃんに手を振って家の中に入る。
いつまでたってもこういうことにはどきどきしてしまうものだな、なんて思いながら熱くなった頬を抑えて自室に入ったのだった。
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白 - キュンキュンしながら一気読みしてしましました…!!素敵な作品を作って頂きありがとうございます! (7月12日 7時) (レス) @page45 id: 4aea3d1271 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - アレキサンダーマックイーンさん» コメントありがとうございます💕喜んでいただけて嬉しいです!本当にありがとうございます🙇♀️ (2022年12月16日 0時) (レス) id: 208005c528 (このIDを非表示/違反報告)
アレキサンダーマックイーン - ピリちゃん可愛いなと思ったらリノ君にキュンキュンして...,,なんですか、神ですか?素敵な作品をありがとうございました! (2022年12月14日 22時) (レス) @page44 id: 1662cc2da1 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - 華さん» コメント、感想ありがとうございます!ピリちゃんとのお話は結構こだわって書いてたのでそう言っていただけて本当に嬉しいです🤦♀️最後までありがとうございました🙌 (2022年9月19日 18時) (レス) id: 208005c528 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 語彙力皆無で申し訳ないですがめちゃくちゃ良かったです!四角関係に胸が苦しくなりつつピリちゃんにキュンキュンしていい作品に出会えました。ありがとうございました!完結おめでとうございます! (2022年9月19日 17時) (レス) @page46 id: f0743c2c5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくらんぼ | 作成日時:2022年3月10日 11時