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「Aの誕生日の時は絶対チョコケーキだった」
「アイス買ってもらう時は私がバニラでリノはチョコミントだったもんね」
「懐かしいね」
そんな話をしていれば食べていたアイスも無くなり、それを捨ててそろそろ帰ると呟けば「送るから」なんて言われてどうするのかと思ったらちょっと来て、とでも言うように私を店内の中へと手招きしたのだった。
「ごめん、付き合わせて。外暑いでしょ」
「ううん……何買ったの？」
「買い忘れてた漫画とジュースとお菓子」
それだけ言って袋の中からペットボトルのジュースを取り出してごくごくと飲んでいて「そっか」とだけ返した。
何度も一緒に二人で歩いてこうして家に帰っていたけど、それも久しぶりでさっきの砕けた空気を一瞬にして忘れてしまった。
「そういえばさ……付き合ってるんでしょ、ヨンボギと。上手くやってるの？」
「うん、まあ、それなりにね」
「……良かったじゃん、Aはスアと違って子どもっぽいところあるし、」
「……なにそれ」
横に並んで歩いていたのを私が足をピタリと止めたことでリノは私の数歩先で私に合わせるように立ち止まった。
ここまで来て、スアの話。話だけならまだしも、なんで比べられなきゃいけないのか分からない。私はリノのことが好きで、それでもそんな気持ちは届かないから無理で、諦めて、ようやく吹っ切れようと思っていたのに。
「もういいよ、高校入ってからずっと口を開けばスアスアスア、私の事なんて放っておいて電話でもなんでもすればいいじゃん！リノの彼女でもないのに比べてこないでよ！」
「待って、」
「もう私に話しかけないで！お願いだから……もう、私のこと、苦しめないでっ……」
家まであと少しなこともあってそのままリノを押し抜いて家の中に駆け込んだ。
我慢していた涙なんかが一気に溢れてきて止まらない。ずるずるしゃがみこんで玄関なんてことも気にせず目を擦ってお母さんにもお父さんにもバレないように何とか声を押し殺して泣いていた。
結局、私はリノにとってその程度の人だった。何も求めてなんかいなかったけどやっぱり私はただの幼なじみでそこから上がったり下がったりもしない。
そんなことを改めて突きつけられた気がしたのだった。
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白 - キュンキュンしながら一気読みしてしましました…！！素敵な作品を作って頂きありがとうございます！ (7月12日 7時) (
レス) @page45 id: 4aea3d1271 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - アレキサンダーマックイーンさん» コメントありがとうございます💕喜んでいただけて嬉しいです！本当にありがとうございます🙇♀️ (2022年12月16日 0時) (レス) id: 208005c528 (このIDを非表示/違反報告)
アレキサンダーマックイーン - ピリちゃん可愛いなと思ったらリノ君にキュンキュンして...,,なんですか、神ですか？素敵な作品をありがとうございました！ (2022年12月14日 22時) (レス) @page44 id: 1662cc2da1 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - 華さん» コメント、感想ありがとうございます！ピリちゃんとのお話は結構こだわって書いてたのでそう言っていただけて本当に嬉しいです🤦♀️最後までありがとうございました🙌 (2022年9月19日 18時) (レス) id: 208005c528 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 語彙力皆無で申し訳ないですがめちゃくちゃ良かったです！四角関係に胸が苦しくなりつつピリちゃんにキュンキュンしていい作品に出会えました。ありがとうございました！完結おめでとうございます！ (2022年9月19日 17時) (レス) @page46 id: f0743c2c5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらんぼ
| 作成日時：2022年3月10日 11時
