初恋なんて大嫌い【Stray Kids】

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「……やっぱりさ、この入る瞬間が一番憂鬱じゃない？」

「もういっその事分かりやすいくらいにいちゃついてくれればいいのに。変に距離取っちゃってさ……」

「……あれ？ヌナ！ヒョンも、何してるの？2人なんて珍しい〜早く入らないと遅刻になるよ〜」

「あっ、ちょっとイエナっ……！」



だらだらして過ごした休日もあっという間に過ぎていき通常授業の後私とヒョンジン2人で部室に入るのに渋っていたらそんな私たちを気にすることもなくガラガラと音を立ててドアを開けたのだった。

ちょうどドアの前にいたのがスアで「何してるの？」なんてかわいい笑顔で言われてしまったらなんでもないとしか言いようがなくて。

いつもだったら迷わずスアの隣に座るのだけど、今日は無意識に少し離れた席を選んでしまった。



「A分かりやすすぎ」

「うるさいなぁ……そんなの自分でも分かってるよ」

「でも、もう大丈夫なんでしょ？」

「……なんかさ、大丈夫かなって思ってた……思い込みだったみたい。朝教室でリノの事見たりさっきだってスアのこと、無意識で避けてた。やっぱりそう簡単にはいかないのかな」



私が座ってスマホを触っていたら隣に座ってきたのはチャンビニで。

朝、教室に入ってきて茶化されてるリノをみて何も笑えなかった。どこか心にぽっかり穴が空いたようで、失恋ってこんなに辛かったんだな、なんてどこか他人事に思えてしまうほどだった。

私の心に対してあまりにもリノの存在が大きすぎる。



「俺も失恋はしたことあるけどAに対したら軽いしなあ……こればっかりはあんまり下手に言えないけどもっと楽に考えてもいいんじゃない？大人からしてみればたかが高校生の恋愛なわけだし。それがいくら幼馴染だとしてもね」

「……なんか私よりも全然恋愛経験あるから説得力あるのちょっとむかつく」

「いや暴論すぎるだろ〜まあモテちゃう俺が悪いか〜……いてっ！ヤー！殴るなよ！」

「そんな強くしてないもん」



本当に弱パンチしただけなのに腕を抑えて痛い痛いと言ってるから慰められるのかと思いきや「ヒョンダサ！」なんてハニにからかわれていて。

そのまま私の元から離れてハニの方に向かっていった。

簡単に吹っ切れられたら楽なのに。

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